口臭の原因とされる揮発性硫黄化合物は3種類
■硫化水素
ニオイの特徴:卵の腐ったようなニオイ
硫化水素は、口臭の原因で一番多い物質で、舌の汚れ(舌苔)や食べカスなど口内環境が清潔に保たれていないことが原因です。唾液量が少なく口内が乾燥していると、ガスの発生はさらに活性化します。
舌に薄くついている白いものが舌苔で、誰にでもあります。少量であれば正常ですが、多量についていると口臭の原因になります。
硫化水素は火山ガスや下水に発生する毒ガスで、濃度が250ppmに達すると命を落とすほど強力です。
■メチルメルカプタン
ニオイの特徴:腐ったタマネギのようなニオイ/血なまぐさい
歯周病や虫歯といった歯のトラブルが原因で発生します。とくに歯周病が進行している場合、歯周ポケット(歯と歯茎の境目になる溝)が深くなりますので、高濃度のメチルメルカプタンが発生し、歯周病の病態を悪化させる可能性が非常に高いとの見解もあります。
メチルメルカプタンは、「毒物及び劇物取締法」などの法律で青酸カリに匹敵する非常に強い毒性をもつ物質に指定されています。
■ジメチルサルファイド
ニオイの特徴:生ゴミのようなニオイ
タバコやアルコール、ニンニクやネギなどのニオイの強い食べ物でも発生しますが、胃や十二指腸、食道にまつわる消化器系疾患や鼻や喉など呼吸器系の病気が原因の場合は、早急な対応が必要です。
ジメチルサルファイドも先述の2つの物質同様、有毒性が高いとされています。
この3種類の揮発性硫黄化合物が混ざり合い、口臭となっているケースが多いようです。口内で発生する揮発性硫黄化合物は、微量で命を落とす危険はありませんが、良いものではありません。普段行うオーラルケアの見直しだけで済む場合もありますが、場合によっては専門医療機関の早急な受診が必要な場合もあります。
自覚症状があるないに関わらず、しばらく定期検診を受けていない方は、自分の口臭に気づいていないだけかもしれません。いつでも至近距離での会話に自信が持てるよう、口臭対策は万全にしておきましょう。
(安田 みゆき)
執筆者:alluxe編集部