なぜ自分の口臭に気づけないのか?

平成11年度 厚生労働省の保健福祉動向調査によると15%以上の人が口臭に悩んでいると回答。年齢別にみると30代後半〜70代後半の人が特に気になると回答しています。悩んでいると答えている人は何らかの対策をしているかもしれません。
しかし、それでも強い口臭により周囲に不快感を与えている人がいるのはなぜか。その原因は、嗅覚の順応反応にあります。ニオイを感知するには、鼻の中の粘膜にある「嗅細胞」がニオイを感知し、脳に信号を送りどんなニオイか判別しています。長期間にわたって嗅いでいると慣れてきてしまい、自己識別が難しくなるのです。さらに、いい匂いか不快なニオイなのかの判別は、個人差もありますがそのときの体調や精神面によっても変化します。
口臭発生のメカニズム

肌が代謝によって、28日周期で入れ替わる(ターンオーバー)ように、口内でも新陳代謝によって古い粘膜や細胞がはがれ、新しい細胞が表に出てきます。また、口内細菌の死骸や血球成分など口内はタンパク質成分が豊富。このタンパク質を増殖に酸素を必要としない嫌気性細菌が分解し、口臭の元となる揮発性硫黄化合物:VSC(きはつせいりゅうかかごうぶつ)というガスを生成しているのです。
揮発性硫黄化合物は人体に影響を及ぼす有害物質ですが、口臭に含まれる量は微量ですし、呼吸によって濃度が薄まるので命の危険はありません。しかし、自分の口内にこれらがあると考えるとケアの重要性が分かると思います。
口臭予防と治療は歯科医におまかせしましょう
歯が痛いから歯医者に行く程度で、何もトラブルがないと歯医者には行かないという方も多いのではないでしょうか? 一見トラブルがないように見えても、歯石が溜まっていたり小さい虫歯ができている可能性があります。定期的に歯の検診を受けて口内を清潔に保てば、虫歯や歯周病、口臭予防に繋がります。しばらく歯科医院に行っていない方は、定期検診を受けてみてはいかがでしょうか。
(安田 みゆき)
執筆者:alluxe編集部