人工歯の形状は主に2種類！

ちなみにクラウンは、歯の形を変えることができるので歯並び矯正にも使用されます。

セラミック人工歯の素材の違い

セラミック歯の種類は大きく分けて2つ。
それぞれどんな特徴があるのか把握しておきましょう。

オールセラミック

100%セラミック（陶器）でできたもので、半永久的に変色の心配がありません。自然に近い色合いかつ透明感があるため、人目が気になる前歯の治療に最適です。強度もあるので奥歯の治療にも使用できますが、陶器なので強い衝撃で欠けることがあります。ハイブリットセラミックに比べ費用がかかる傾向にあります。

【オールセラミック人工歯の主な種類】

●エンプレス…審美性と強度を兼ね備えた人工歯です

●e-max…強度はエンプレスの2倍！ 審美性も◎

●スプリニティ…セラミックにジルコニア（人工ダイヤモンド）が10％含まれているためe-maxよりも強度と耐久性に優れています

ハイブリットセラミック

セラミック粒子（陶器）とレジン（合成樹脂）を混ぜてつくられたものです。オールセラミックに比べて安価。弾性があり対合歯にも優しいため、歯ぎしり癖や噛み合わせに難がある人の奥歯治療にも安心です。自然の歯に近い色合いですが、時間とともに変色するため入れ替えの必要があります。

セラミック人工歯が選ばれる理由

安価な銀歯ではなく、セラミック人工歯を選択する人が増えています。それにはこんな理由がありました。

理由（1）見た目の美しさが格段に違う

口を開けると目立つ銀歯と比べて、セラミック人工歯は、天然の歯と見分けがつかないほど白く透明感があります。もちろん、自身の歯の色味に合わせることも可能なので、見た目の違和感はほとんどありません。

理由（2）虫歯になりにくい

銀歯の場合、日々変化する口内環境によって劣化しやすく、また歯との接着面が不安定なため、歯と銀歯の間に虫歯ができやすいとされています。セラミック歯は、素材そのものが丈夫で口内環境の影響を受けにくく、歯にピタッと接着できるよう作られるため虫歯になりにくいのです。

理由（3）体への負担がない成分でできている

銀歯に使われる金属は、唾液によって口の中に成分が溶け出しています。それにより、接している歯茎が黒く変色したり、敏感な人は金属アレルギーを引き起こす恐れもあります。セラミックは、成分が溶け出すものではないため、体への悪影響がありません。

理由（4）傷がつきにくいから歯を清潔に保てる

細かい傷がつきやすい銀歯は、そこに細菌がつきやすくセルフブラッシングではなかなか綺麗にできません。表面がコーティングされているセラミック歯は、傷がつきにくく清潔な状態を保つことができます。

今回お話ししたのは、セラミック人工歯治療のほんの一部です。歯は見た目だけでなく、機能性を末永く維持することも重要です。治療を受ける前に、不安な点や分からないことは担当医にしっかり確認し、納得した上で受けましょう。

（安田 みゆき）

執筆者：alluxe編集部