綺麗な歯並びは女性を魅力的に見せてくれます。歯並びを美しくするために歯を抜くことで歯を動かすスペースを作る矯正方法は、歯列矯正の中でも一般的で、歯を減らす分「小顔になる」というメリットから多くの矯正の現場で行われています。
しかし、どの歯にもそれぞれ特別な役割を与えられており、人間の歯には上下4本存在する親知らず以外、どれひとつとして無駄な歯は存在しません。
歯の位置の表し方
基本的に歯の場所は、歯の中心から見て何本目に位置するかで、1~8の番号を振って番号で表すのが一般的です。
なお、左右については自分から見た左右で表すため、ちょっと注意が必要です。
小臼歯ってどこの歯?
小臼歯は前から数えて4番目(第一小臼歯)、5番目(第二小臼歯)の歯で上下合わせて8本あります。
これまでは、大臼歯よりも小さいため、咀嚼に影響を与えにくい事、抜歯することで他の歯を動かしやすいという理由から歯列矯正の際に抜歯されることが多い歯でした。
しかし近年、オーストリア・ウィーン大学補綴学教授のスラバチェック博士によって、小臼歯の大切な役割が提唱されてからは、専門家の間でも意見が分かれています。
小臼歯の役割って?
後方へのストッパ-になり、顎関節を守る
人間はものを噛む際に、下顎がわずかにうしろにずれます。
小臼歯はそのとき唯一噛みあうことのできる歯で、噛みあうことでそれ以上下顎がうしろにずれることを防ぐ役割があります。
顎関節のうしろには、圧迫されるとさまざまな障害が出てくる恐れがある脳に通じる神経や血管の束があるため、第一小臼歯には、それが圧迫されるのを防ぐストッパー的な役割があるわけです。
正しい歯ぎしりに欠かせない
当たり前ですが、寝ている間に無意識でしてしまう歯ぎしりを自分でコントロールすることはできません。
しかし、第一小臼歯があることで、先ほど紹介したように、一定のところで顎の動きが止まるため、必要以上にうしろに下がることを防ぐことができます。
もしこの第一小臼歯がなければ、顎の動きをコントロールできずに顎がうしろに落ち込んでしまう恐れがあります。
そうなると、寝ながら苦しい思いをしなければなり、質の良い睡眠も妨げられることにもなってしまいます。
矯正で歯を抜く際は、その後の影響についての確認を忘れずに
これは一部専門家の意見ではありますが、矯正の現場で不要なもの扱いされることの多い小臼歯にも、大きな役割があることをお分かりいただけたかと思います。
あとあとのトラブルを防ぐためにも、歯列矯正する際はその歯を抜歯することでどんな影響が出るのか、事前に担当医に確認することをおススメします。