骨髄幹細胞由来培養上清液の特徴

幹細胞は、1960年代に骨髄から発見されました。それ以来、さまざまな研究の結果、他の場所にも存在することがわかりました。
骨髄幹細胞は、ヒトの骨髄から採取された幹細胞です。海外では多くの疾患の臨床試験が行われており、他の幹細胞よりも骨・軟骨形成や有用なタンパク質の分泌で優位に働くことがわかってきました。疾病予防やエイジングケア、手術後のリカバリーなど幅広く使用されています。
一方、採取が困難で、日本国内では希少性の高い貴重な幹細胞です。現在は、ほぼ脊髄損傷に伴う神経症や機能障害、血液疾患治療などで使用されるのみとなっています。
骨髄幹細胞の上澄み液である骨髄幹細胞由来培養上清液についても機能性が非常に高く、今後の利用の拡大が注目されています。

骨髄幹細胞由来培養上清液には培養の際に放出されたサイトカイン（*1）やエクソソーム（*2）など、500種類以上もの成長因子が多く含まれます。症状によっては、幹細胞治療に近いレベルでの効果が期待でき、 皮膚をはじめ、髪の毛、傷の修復など広範囲に効果を発揮します。また、エイジングケア化粧品の原料としても注目を集めており、開発を進める企業が多く存在しています。
*1 サイトカイン (cytokine) とは、細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質の総称です。生理活性蛋白質とも呼ばれ、細胞間相互作用に関与し周囲の細胞に影響を与えます。
*2 エクソソーム（Exosome、エキソソームとも呼ばれる）は細胞から分泌される直径50-150 nm（ナノメートル：10億分の1メートル）の顆粒状の物質。その表面は細胞膜由来の脂質、タンパク質を含み、内部には核酸（マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど）やタンパク質など細胞内の物質を含んでいます。

骨髄幹細胞由来培養上清液の効果

骨髄幹細胞由来培養上清液は炎症の緩和に適しており、以下のような効果が期待されています。

●炎症に対する治療
　膝痛の症状緩和
　アトピー性皮膚炎による赤みの低下
　新型コロナ感染症による後遺症（味覚・嗅覚）の改善
　手術後の痛みの緩和　など

その他、以下のような効果も期待できます。
●糖尿病の改善／腎不全の改善
●ED再生治療
●下まぶたのたるみとクマの改善　
●薄毛・AGA・発毛効果　など

骨髄幹細胞由来培養上清液のこれから

さまざまな企業からこれらの培養上清液が販売されていますが、今後は効果や安全性、ドナー管理などの観点から、より高品質なものが求められることが考えられます。
骨髄幹細胞由来培養上清液は世界でも多くの疾患において臨床試験が行われています。それらを元に、しっかりとした実績のある企業の培養上清液を扱うクリニックで治療を受けることが必要です。

執筆者：alluxe編集部