肩コリ治療のいろいろ

これまで、肩コリ治療といえば固まった筋肉をほぐして血流を良くするために、筋肉をもむことが行われていました。ただし、それでは根本的な治療にはなりません。ほとんどの人は慢性化してしまいます。

痛みをとるために医療機関でできる肩コリの治療といえば飲み薬（消炎鎮痛薬、筋弛緩薬、ビタミン剤、漢方薬）、外用薬（湿布やローション、ゲル、スプレー）などが主でした。

そこで考えられたのが、その痛み自体にピンポイントで働きかける注射治療です。

注射治療

保険適用

神経ブロック注射

痛みを感じる神経やその周りに局所麻酔薬を注射して、神経の興奮を抑えて痛みを和らげます。これを数回繰り返すと徐々にコリをなくしていくことができます。
保険が適用されるので1000円前後で受けられます。ただし、神経の近くに注射するため、出血や感染、神経を傷つけてしまう可能性がありうるので注意が必要です。

トリガーポイント注射

肩コリのもととなる部分（トリガーポイント）に直接局所麻酔薬を注射すると血流が改善され、肩コリが緩和されます。病院やクリニックで受けられ、保険適用になります。副作用としてはごくまれにしびれやだるさを感じることがあります。

保険適用外

筋膜リリース注射

今まで原因不明といわれてきた、慢性的な肩コリに効果があるとテレビで紹介された方法。
筋肉と皮膚の間には筋肉を包むうすい膜状の筋膜があります。ずっと同じ姿勢でいたり、冷えや運動不足が続くと癒着してしまい、それがコリの原因になるということがわかってきました。
エコー検査をすると筋膜が癒着した箇所は白く写るので、それを見ながら直接生理食塩水を注射していくと、白い箇所が無くなっていきます。体液と同じ成分のものを注射するので副作用はほとんどなく、即効性が期待できます。

ボツリヌス治療

部分的に筋肉の収縮を抑えて、肩こりの痛みを軽くするもの。コリそのものに打つことができるので、ピンポイントな痛みに効果があります。期間は3～6カ月。副作用はほとんどありませんが、数日肩に違和感が残ることがあります。質の悪いものを使うと腫れたりすることもあるので注意。保険適用外です。

新しい肩コリ注射「コリピタ」

品川スキンクリニック独自の肩コリ治療です。
ボツリヌス治療は筋肉の収縮を抑えて痛みを軽減、トリガーポイント注射やブロック注射は麻酔薬で痛みを軽減させるものですが、コリピタは「炎症の鎮静」と同時に「組織の修復」を促す有効成分を痛みの元に直接注入します。繰り返し注入していくことで、根本的に治していきます。

まずはクリニックに相談を

近頃、ニーズに合わせ肩コリ治療を扱っているクリニックが増えてきています。肩コリの原因はその人によってさまざまです。「もう治らない」とあきらめず、整形外科やペインクリニック、美容外科などを訪れてみてはいかがでしょうか。

（佐藤マキコ）

執筆者：alluxe編集部