骨粗しょう症は若くても起きる

以前、「若いころの行き過ぎたダイエットが骨をスカスカに！」という記事で、若い人でも骨粗しょう症になりうることを書きました。
今回はもっと驚くべき元自転車選手の事例が紹介されていました。彼は日常生活で転んだだけで大腿骨を骨折、調べてみるとなんと25歳なのに80歳代の骨量しかないことが判明したのです。その理由は…？

骨を作る細胞と壊す細胞が正常に働くにはコントロールするメッセージ物質が必要。司令塔となる「骨細胞」がそれを出しているのです。「骨を作るのをやめなさい」という指令を出す「スクレロスチン」が出すぎてしまうと骨量が増えずに骨粗しょう症になります。元自転車選手はそれが異常に多かったのだそうです。

骨量が減ってしまったら…

骨が弱くなってしまった人はもう手遅れなのでしょうか。いえ、そんなことはありません。骨細胞は衝撃を感知して、新しい骨を作るかどうかを判断しています。たとえばお年寄りが骨折などでほとんど家の中で過ごすようになってしまうと、「もう新しい骨は作らなくていい」と判断し、ますます弱くなってしまう…ということが起きるのだそうです。なるほど、納得。
アメリカで骨量が低くなっている男性のグル―プが、週に3回30分ずつジャンプ運動と筋トレを続けたらほぼ全員の骨量がアップしたというデータがあります。日々の運動が若々しさを作っていたのです。

まだまだある骨の働き

骨は他にも人間が生きていくために必要な役割をになっています。
「骨芽細胞」という骨を作る細胞が出すホルモン「オステオポンチン」は全身の免疫力を活性化させて若く保つという働きをしています。また「オステオカルシン」は記憶力や筋力、生殖力をアップさせる力があるのです。骨折などで寝たきりになってしまったお年寄りが急激に弱くなってしまうのは、これらが働かなくなってしまうからだと考えられます。

骨を健康に保つということは、自分の足で歩く、生活の質（クオリティオブライフ）を維持すると同時に、若さを保つということでもあったのですね。

肌や髪などをきれいにするのと同じように、身体の根幹となる骨を見直すことも将来的に必要なのだなぁと実感したのでした。

（佐藤マキコ）

執筆者：alluxe編集部