胃下垂とは？

医学的には「胃の機能的および形態的異常の総称」とされており、わかりやすく言えば、正常な位置よりも下まで垂れ下がっている状態のことを指します。
勘違いされる方も多いのですが、胃下垂と言っても、胃の上部の位置が変わることはないので、あくまで胃の下部が伸びてしまっている状態と捉えて頂ければ間違いありません。

症状

一番わかりやすいものとして、胃の下部がお腹の下の方まで落ちてくるため、お腹がポコっと膨らんだような感じになることがありますが、それ以外に目立った症状が出ないことも多いです。
胃もたれや胸焼けなどの症状が出る場合もありますが、初期の軽い症状であれば特に治療の必要はありません。

胃アトニー

もし、胃もたれや胸焼けなどが酷くなった場合は、別名「胃無力症」ともよばれる胃アトニーを併発している可能性が出てきます。
これは、胃の筋力が低下することによって消化不良を起こしてしまう病気です。胃下垂の人に多くみられ、胃もたれやお腹の張り、胃痛、食欲不振などの症状が現れることが知られています。

胃下垂の原因

通常、食べ物が胃の中に入ってくると胃は重くなりますが、胃の周囲の脂肪や筋肉で支えられているために下へ下がることはありません。ところが、痩せている場合は、この脂肪や筋肉が少ないため、重さの増加分を支えきれずにだんだんと下の方へ垂れさがるような感じになり、結果的に胃下垂になってしまうという説が有力です。

治療と予防

基本的に症状が軽い段階であれば、規則正しい生活と、リラックスしたストレスのない生活をすれば特に問題はありません。また、腹筋を鍛えて適度な脂肪を付ければ胃下垂の予防にもなりますし、下垂してしまった胃を押し上げて正常の位置に戻せる場合もあります。

胃下垂だと痩せる？の真偽は

これまで見てきたことからわかるように、実際は「胃下垂だから痩せる」のではなく、「痩せているから胃下垂になりやすい」ということに過ぎません。
是非正しい知識を身につけて、「胃下垂だから痩せる」という間違った情報に惑わされることのないようにしましょう。

（サクマユウナ）

執筆者：alluxe編集部