腱鞘炎の症状（初期･中期･後期）

初期→指や手首に違和感

ちょっと動かしにくいな…と感じるけれど、動かしていると楽になります。

中期→指や手首が腫れたり、熱っぽくなったりする

痛みが出てきて、日常生活に支障が。病院に行くと「安静にしてください」と言われます。

後期→動かさなくても痛くなり、動かすことができない

ここまで来てしまったら、触られるのもつらいですね…。病院に行くと注射をされ、それでも良くならないなら手術をすすめられることに。

最悪な状態になる前に、早めに対処しましょう！

セルフケア「手首押し」を試してみよう

病院に行くほどじゃないけどちょっと違和感…という初期状態の人に効果があるのが、自分でできる「手首押し」です。
刺激するポイントを探します。まずは「陽池（ようち）」という、手首の甲の太いシワの中央にある場所。ここからひじの方向に指二本分下がったところが「外関（がいかん）」です。
この二つのツボの間に、押すと気持ちのよいところがあります。ここに親指の先を当てて1分。強すぎず、気持ちよいくらいの力で押しもみします。 手首には指の動きをコントロールする神経が通っているので、ここを刺激してあげます。手の血流を良くするという効果もあります。

女性と腱鞘炎の関係

男性は指や手の使い過ぎで発症することがほとんどですが、女性の場合はそれだけではありません。女性の腱鞘炎にはホルモンの働きが関係します。 「プロゲステロン」という女性ホルモンは妊娠や出産を助けるホルモンです。出産後は骨盤や骨を元の一に戻そうと、身体の腱を縮める働きをします。また、更年期にはプロゲステロンがほとんど分泌されなくなってしまい、身体の腱が固くなります。よって産後や更年期に女性は腱鞘炎になりやすいということがわかります。

あなたは大丈夫？ こんな人はばね指になっているかも？

ばね指とは

筋肉と骨をつなぐ組織を「腱」といいます。指は腱によって曲げ伸ばしが可能になっています。その屈筋腱には、腱の浮き上がりを押さえる「靭帯性腱鞘（じんたいせいけんしょう）」というトンネル状のものがあります。ベルトとベルト通しのようなものですね。
指の付け根付近には力がかかるので炎症が生じやすい箇所があります。屈筋腱と靭帯性腱鞘の間に炎症がおこると、指の付け根に痛みが生じます。これが腱鞘炎の状態です。さらに進行すると、指が曲がりにくくなり、一度曲げるとひっかかって元に戻らなくなったりします。無理に動かそうとするとばねが跳ねるような現象が起きます。これを「ばね指」と呼びます。

治すにはどうしたらいいの？

腱鞘炎で痛みを抱えていると、日常生活が不便になります。たとえば字を書くとか、ペットボトルのふたを開けるのもままならなくなります。
手首の腱鞘炎やばね指になってしまったら、まずは整形外科に行く人が多いと思います。ただし、整形外科ではレントゲン写真を撮って、そこで異常がなければ湿布や痛み止めを出されて「様子を見てください」と言われ（対症療法）、そしてひどくなってしまったら「手術が必要です」と言われてあわてることでしょう。でもできれば手術は避けたいもの。
腱鞘炎を治すには筋肉の使い方を見直すことも必要です。まずは筋肉の専門家、整体院や整骨院に相談してみる、というのもよいと思います。腱鞘炎になっている根本の原因を見極め、身体の動かし方のクセを直すことができれば、腱鞘炎を解消できるかもしれません。

腱鞘炎になってしまう人は、『痛い』と思ってもがまんして仕事や家事にがんばってしまうのではないでしょうか。それは身体からの「ちょっと休んでは？」とうサイン。たまにはそういう声に耳をすましてあげてみてくださいね。そしてツラい時は早めに専門家に診てもらいましょう。

（佐藤マキコ）

執筆者：alluxe編集部