体質だからと諦めないで。原因から見た手汗の対策と治療法

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更新日：2018年4月20日
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もしも急に握手を求められた場合どうしますか？そのときに手が汗でぐっしょりしていたら、自分も嫌ですし相手にも嫌な思いさせてしまいかねませんよね。とはいえ、社会生活を送っていると、仕事に限らずそういった場面に遭遇することはよくあること。手汗が気になるから、と言って避けてばかりもいられません。そこで今回は、手汗が生じる原因と、その対策及び治療法についてみてきたいと思います。

手汗の原因

生理現象

交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが崩れると発汗異常を起こし、手汗をかきやすくなることがあります。
特に緊張したり驚いたときに多いのですが、あくまでこれは一時的なものです。
誰にでも起こるこういった生理現象が原因の場合は、気持ちが落ち着いたら発汗も治まります。

手掌（しゅしょう）多汗症

手のひらだけに異常な発汗が現れる病気です。
あるときを境に手汗の量が急に増えることはほぼなく、幼少期の頃から大量の手汗をかきやすい傾向があります。
発汗量も個人差が大きく、手のひらが湿っている程度から、拳を握ると汗が滴り落ちる状態、最も重くなると手のひらから汗が水滴となってポタポタと滴り落ちるレベルまで多種多様です。

手汗の原因が生理現象にある場合

手汗を止めようと意識すればするほど却って悪化してしまうことがあります。
これは焦りや緊張で交感神経が刺激されてしまうためなので、まずはリラックスするように心がけることが大事です。

ツボ押し

合谷（ごうこく）

「合谷」は手の甲の親指と人差し指の骨の合流部分、ちょうどくぼみになっている場所にあるツボです。
ストレスや不安、神経過敏などの精神的な症状に効果があるとされています。反対側の親指を骨の真下にもぐりこませるように押すのがコツです。3～5秒押して1秒離すというのを3～5セットほど繰り返します。

腹式呼吸

通常、副交感神経が優位になるのは息を吐く時なので、その際に、お腹の奥底から深く呼吸（腹式呼吸）することで結果的に副交感神経の働きを高めることができます。

手汗の原因が手掌多汗症の場合

手掌多汗症はれっきとした病気です。
日常生活に支障をきたすレベルの発汗があったときには医療機関の手を借りて正しい治療をすることで改善させることができます。

塩化アルミニウム水溶液を外用する

「塩化アルミニウム」は市販の制汗剤にも主成分として用いられている物質で、汗腺に炎症を起こして閉塞させることで発汗を抑制します。しかし、その効果は一時的なものであるため、継続して使用する必要があります。なお、塩化アルミニウムは通常の薬局では手に入りませんので、必要な場合は大きな薬局で購入するか、医療機関で処方してもらうようにしてください。

使い方は簡単です。就寝前に汗が気になる部分に20％塩化アルミニウム水溶液を塗り、朝によく洗い流すだけ。
ただし、ヒリヒリやかゆみ、発疹などが生じたときは使用を中止してすぐに水で洗い流してください。
皮膚が薄いワキの下や手の甲などの使用には注意が必要です。

胸腔鏡下交感神経節遮断術（ETS手術）

上記の塩化アルミニウム療法で効果が出ない場合には、胸腔鏡下交感神経節遮断術（ETS手術）が行われることがあります。
この手術はまず、ワキの下の皮膚を2～4ミリほど切り、内視鏡と電気メスを肋骨で囲まれた胸腔内へ挿入します。モニター画面で胸腔の様子を見ながら、背骨の近くにある交感神経の束を10ミリほど切除するというものです。切開と言っても傷がとても小さいので、手術を受ける側の負担も小さく、日帰りで行うことができます。
この手術の良いところは、負担が少ないだけでなく、ほぼ100%の手汗を止めることができ、効果も生涯続くということです。