巻き爪とは

巻き爪とは、爪の端が巻いて内側に巻き込んだ状態のことをさし、日本人の10人に1人の割合で患っていると言われています。時には炎症を起こして、激しい痛みを伴むことがあります。

巻き爪の種類

「陥入爪」（かんにゅうそう）

爪の両端の根元が軟部組織（皮膚と皮下組織）に刺さって炎症を起こしている状態をいいます。痛みや赤みを伴い腫れてしまう場合もあります。
長引いて悪化すると、食い込んでいる部分が雑菌の侵入によって化膿し、痛みが強くなることもあります。

「弯曲爪」（わんきょくそう）

爪が全体的にひどく弯曲（わんきょく）しながら伸びていった状態をいいます。特に爪先の方で変形が顕著になる傾向があり、逆U字型や馬蹄形から、変形が強くなると「のの字」型や円形になる場合もあります。痛みが生じるのは変形が強くなってからが多いのですが、これには個人差があり、変形が強くても痛みがないこともあります。

なぜ巻き爪になるの？

人間の爪には巻く力と広げる力が働いており、通常は両者のバランスが保たれています。
ところが、なんらかのきっかけでこのバランスが崩れてしまったときに巻き爪になりやすくなります。

爪の巻く力が、広げる力よりも必要以上に強くなった場合

靴による圧迫
自分の足よりも小さいサイズの靴やヒールの高い靴、特に足先の細い靴を履いている場合に多いです。
サイズの合わない靴やヒールの高い靴を履き続けることで、爪や指先が常に圧迫されるために、爪の巻く力が必要以上に強くなり、巻き爪が発生しやすくなります。

爪を広げる力が弱まってしまった場合

深爪による影響
人は歩くときに、体重の数倍の力が足の親指にかかります。
通常であれば爪がこの力に抵抗するため、負担を軽減することができるのですが、深爪の状態だとそれができません。
その結果、爪周りの皮膚が盛り上がり、爪の縁が食い込んだ状態となってしまうのです。

巻き爪の治療

コットンパッキング

軟部組織に食い込んでいる爪の角にピンセットで乾いたコットンを詰める治療法です。
麻酔の必要もないため、主に軽度の巻き爪の治療に用いられます。

フェノール法

コットンバッキングでは改善できないような場合に用いられます。
爪の端の変形部分を切除した上で、爪の生えてくる「爪母（そうぼ）」のうち、巻き込みやすい部分に高濃度フェノールを塗って、該当部分の爪が伸びないように処置していく治療法です。

一旦巻き爪が起こると、痛みで靴が履けなかったり、爪が切れないなどの多くの悩みを抱えることになりかねませんし、放置していてよくなることはほとんどありません。
ですが、軽度のうちに対処をすれば、その分早く治ります。
できれば痛みがないうちに早めに対処することをおすすめします。

（サクマユウナ）

執筆者：alluxe編集部