お酒と体の関わり

なぜお酒を飲むと酔っぱらうの？

体内に取り込まれたエタノールは、胃と小腸で吸収され血液中に溶け込み、やがて肝臓で分解されます。このとき、エタノールはまずアセトアルデヒドに分解され、その後酢酸、最終的に水と二酸化炭素という代謝過程を通り分解されます。
ここで問題となるのが最初の分解物であるアセトアルデヒド。適量であれば血行を良くするなどの良い面もあるものの、量が多くなると顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などといった酔いを起こす原因となることがあります。

お酒の強い人と弱い人の違い

アルコール分解力の違い

エタノールは、肝細胞にある「アルコール脱水素酵素（ADH）」や「ミクロソームエタノール酸化系（MEOS）」の働きでアセトアルデヒドに、そして代謝酵素「アルデヒド脱水素酵素（ALDH）」の働きで、ほぼ無害の酢酸へと代謝されます。俗にいうお酒に強い弱いは、体重や体型などの要素もあるのですが、有害物質であるアセトアルデヒドを分解するALDHが活性化しているか否かによるものが大きいです。
お酒に強い人はいくらお酒を飲んで体内でアセトアルデヒドが作られても、すぐに分解されるため不快な症状に悩まされることなくお酒を楽しめるというわけなんです。
ただ、日本人は体質的にこのALDHの活性が鈍いと言われていますので、飲み過ぎには注意が必要です。

お酒との上手な付き合い方

お酒は適量を守る

適切なアルコール摂取量は、純アルコールに換算して20gとされています。
これをお酒に換算すると、ビールでは中びん1本（500ml）、日本酒では1合（180ml）、ウイスキーはダブル1杯（60ml）、焼酎では0.6合（110ml）が目安となります。

強いお酒はお水と一緒に飲む

これまで紹介してきたように、お酒はその代謝過程で水を排出するため、結果的に脱水症状になりやすいです。そこで、度数の強いお酒を飲むときはお水も一緒に飲むことで、体の中の濃くなったアルコール濃度を緩和することができます。

お酒はおつまみと一緒に摂る

お酒を飲むと揚げ物や塩辛いものなどの味が濃いものを食べたくなりますが、塩分を摂りすぎると高血圧に繋がる恐れがあります。出来るだけおつまみには、ナッツ類、枝豆、サラダ、温野菜、湯豆腐などの脂肪分や塩分が少ないものを選ぶようにしてください。

ビタミンB1を意識的に摂る

特にビタミンB1はアルコールの代謝過程で消費されるため、ビタミンB1が豊富な食べ物を選ぶことも大切です。
また、飲み会の前にクリニックでビタミン点滴やビタミン注射を受けてビタミンB1予め補給しておくという手段も効果的です。

お酒は適度に付き合えば人生における良きパートナーとなってくれます。是非、これまで紹介してきたことを参考に、これからの飲み会シーズンを楽しんでみてくださいね。

お酒の種類や効能について解説した前回の記事→「百薬の長」といわれるお酒が持つ美容・健康効果と、正しいお酒との付き合い方【前編】

（サクマユウナ）

執筆者：alluxe編集部