日本古来の発酵食品のいろいろ

私たちは意外と多くの発酵食品に囲まれています。味噌、醤油、納豆、塩辛、漬物に始まり、日本酒、お酢、みりん、かつお節なども発酵させて作ります。
日本人は昔から麹菌の働きを良く理解していて、日々の生活に利用していました。それなしでは日本の味は成り立たないといっても過言ではありません。
その他、納豆を作る納豆菌や漬物に含まれる乳酸菌なども有益な細菌ですね。

※余談ですが、筆者はアニメ「もやしもん」でさまざまな菌類が働いていることを知りました。この作品には東京農業大学の小泉武夫教授をモデルとしたとのウワサの、愛すべき大学教授が登場します。

発酵と腐敗の違い

そもそも、「発酵」と「腐敗」の違いはなんなのでしょう？
微生物が糖を分解して発酵が起きると、保存性を高め、元の食品になかったうまみを引き出して素材の味をまろやかにします。
一方、たんぱく質の分解によって起きる腐敗は人体に有毒な毒素や悪臭を出します。
人間にとって有益か有害かが発酵と腐敗の違いです。似ているようでとても重要な違いですね。

女性にこそ摂ってほしい、発酵食品

甘酒

永作博美さんや井川遥さんが愛飲していると公言した甘酒、もともと江戸時代には夏の飲み物だったそうです。当時は暑さで体力が落ちた人たちが亡くなるという事例が多く、夏の必需品として甘酒売りが流行しました。
甘酒はブドウ糖が20％も含まれており、人が生きていくのに必要なビタミン類も多く含まれることから、現代でも点滴のような飲み物と言われています。

ヌカ漬け

野菜をヌカに漬け込むことによって、うまみが上がることはもちろんビタミンB類が格段にアップします。ヌカ漬けを食べると善玉菌が増えるので、腸内環境を整えて悪いものを排出しやすくし、がん予防の効果があるといいます。

味噌汁

一日3杯以上の味噌汁を飲むと、乳がんの発生率が40パーセント減少する、との研究発表が2003年に厚生労働省からありました。大豆に含まれる「イソフラボン」が女性ホルモンの働きを邪魔することによって、がんの予防になるのではないかと考えられています。
また、抗酸化力を高める効果もあるので、アンチエイジングには最適の食品といえます。

ヨーグルトやチーズも発酵食品ですが、日本人が古くから食べている食品のほうが私たちの体質にはより適しています。ただし漬物や味噌汁を食べる際は塩分の摂りすぎに気をつけて。日本古来のカラダにいい食品を見直し、日常生活にうまく取り入れましょうね。

（佐藤マキコ）
執筆者：alluxe編集部