健康と美容を気にするならやっぱり“腸内環境”
編集 引き締まって本当にお美しい肌ですよね。本日はその秘密を伝授していただけるかと楽しみにやってきました。よろしくお願いします。
ありがとうございます!(笑)
健康と美容を気にする上で、まず一番に考えていただきたいのは、「腸」のことです。
腸の役割はたくさんあって、食べ物を消化吸収する場所であり、排泄場所でもあり、そして免疫力の要とも言われます。
せっかく、美容にいい栄養素を摂取しても腸内でしっかり消化吸収が行われていなければ美容効果はあらわれません。排泄が上手く行かないと、溜まった未消化物が毒素となり血液に流れてそれが全身に巡り肌もくすむ、なんてこともあります。
健康だけでなく、美容の面でもとても重要な場所なんです。
インナービューティを考えていく上で一番大切な場所と言えるかもしれません。
「最近なんだか疲れがとれないな」とか「肌の調子がワントーン暗いな」という方は、まず食事の見直しから始めてみるのがいいと思います。
身体の疲れは、実は「腸の疲れ」が原因ということも多いですから。
私は植物性乳酸菌を意識的に摂って、さらに月に一回はファスティングで腸を休ませる、という生活をこの一年ほど続けてきました。それだけで肌の調子もかなり良くなりましたし、体力が増えたのか風邪をひきにくくなりましたね。
編集 美容にも健康にもいいというのが嬉しいですね。季節の変わり目には体調を崩しがちです。呼応するように肌も荒れていくんですが、食べ物を変えるべきなんでしょうか。どんな食生活がオススメですか?
動物性たんぱく質の摂り過ぎや外食などで添加物を多く摂るような食生活は消化に負担がかかり腸疲れの原因になります。
積極的に食べて欲しいのは植物性の乳酸菌を含む発酵食品です。納豆、お味噌、お漬物などですね。
発酵していく過程で作られる菌を取り込んで、腸内環境の中で善玉菌を優位にしてあげるようにするんです。腸内の善玉菌を優位にしてくれるので免疫力も上がります。
私は、納豆がもともと好きなこともありますが、本当にたくさん食べてますね。
昔ながらのものが私たちの体にあっているのかな、と思います。
編集 腸内環境を食事で意識的に改善していくということですね。
腸内環境をあらわす「腸内フローラ」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。
フローラというのは「お花畑」のこと。目に見えないのでイメージがつきにくいかもしれません。善玉菌、悪玉菌、日和見菌──これは善玉菌と悪玉菌の調整役を果たしている菌ですが、こうしたたくさんの菌が腸内では共存しており、これを花畑に喩えた言葉なんです。
人それぞれ菌の数も割合も異なるのですが、実は驚くべきことに、腸内フローラの環境は離乳期にはすでに完成してしまっていると言われています。
お母さんの産道を通るときに初めて菌に触れ合って、雑菌や空気に触れて、どんどん腸内環境が決まってくる。離乳食開始の11カ月くらいには、善玉菌、悪玉菌を取り込んで、その時点でそれぞれの腸内環境は基本的にもう変えることができないとされています。「腸内フローラを調べると産まれた病院が分かる」とまで言われるほどなんですよ。
編集 なんですと! じゃあ腸内環境を変えるというのは夢物語なんですか? 腸内フローラのせいで便秘ぎみの人は、便秘人生をずっとよろめきながら生きろと!?
あきらめるのは早いです! 善玉菌を優位にしたりして、環境に影響を与えることはできます。菌の数や種類を変えることはできませんが、バランスを整えることは可能なんです。腸内環境を整えるうまいやり方や逆にやってはいけないことについて次回はもう少し具体的にお話ししていきますね。
編集 とりあえず納豆をたらふく食べてスタンバイしておきます。
(次回をお楽しみに)
安永 里絵 Rie Yasunaga
ファスティングサロン エステプロ・ラボ AOYAMA
esthepro-labo-aoyama.com
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