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豊胸術とは、バストを大きくする手術のことを指します。大きく分けてて2種類。
メスを入れインプラントを挿入するバック挿入法と、自分の脂肪を吸引して注入する「脂肪注入」、「ヒアルロン酸注入」「アクアフィリング/アクアリフト」などの製剤を注入するフィラー注入の3タイプの豊胸術があります。注入の場合、注入する製剤の特徴にもよりますが、片側100ccでブラジャーのサイズが1カップサイズアップするくらいが目安になります。また、それぞれ仕上がりや効果の持続期間が異なりますが、目的はバストサイズをアップすること。理想のサイズに仕上がることで女性としての自信がつく長年人気の治療です。
基本的には、バストのサイズアップが目的ですが、治療の種類が増えたことによって、密かに左右の大きさに悩んでいる方、バストの形をキレイに整えたい方の悩みに応えることも可能に。「フィラー注入による豊胸術」は、術中に鏡を見ながらバストの大きさや形をチェックを医師と一緒にできることで満足度が高い施術です。少量づつ注入ができるため、バストの左右差をなくし、均等で美しいバスト形成が叶います。また、バストラインがキレイになることで、スタイルにメリハリがつき美しく見えるメリットもあります。
画像提供:コムロ美容外科
部分的な麻酔をすることで、痛みがすくなく意識をもったまま治療ができます。
注入による豊胸術の種類は、上でも述べましたが、自分の脂肪を吸引して注入する「脂肪注入」、フィラー剤を注入する「ヒアルロン酸注入」「アクアフィリング/アクアリフト」のこの3つが主流となっています。しかし、手軽という面で考えると脂肪注入は一度自分の脂肪吸引をしなくてはいけませんので、他と比べるとハードな治療かもしれません。最後に、メリット・デメリットを紹介したいと思います。
「ヒアルロン酸」は、もともと私達の体内に存在する成分です。
グリコサミノグリカン(ムコ多糖)という粘り気のある物質の一種で保水力が高く、シワの改善やプチ整形など美容医療で長年多様されています。もともと体にある成分なので、アレルギーの心配も少ないヒアルロン酸をメスを使わずにバストに注入。豊胸用のヒアルロン酸はドイツ製の「ハイアコープ」や、スウェーデン製の「マクロレンVRF」などの製剤が代表とされ多く使用されています。豊胸用のヒアルロン酸は、顔のシワ治療やプチ整形に使用されるものより粒子が大きいため、他の美容医療で使用されるものより吸収が緩やかで、持続期間も長いとされていますが、粒子が大きい分触り心地が硬くなるデメリットも。
近年、「アクアフィリング/アクアリフト」による豊胸術が増えてきました。その理由は、持続期間の長さ。ヒアルロン酸が1~2年ほどにに比べて、アクアフィリング/アクアリフトは5~6年ほどと言われています。仕上がりも、名前の通り水のように柔らかい触り心地でハリ感もあることが特徴です。名前の違いはメーカーが違うだけで「アクアフィリング」と「アクアリフト」は、98%の水分と2%のポリアミドで構成されており、ほぼ水でできた製剤なのでアレルギーの心配も少なく安全性が高いとされています。おおよそ同じ成分とされていますが、触感が少し異なるとのこと。(※アクアフィリングは韓国製 ※アクアリフトは米国製)ナチュラルなバストに仕上げたい方に注目される製剤です。
最後に、「脂肪注入」ですが先程もお伝えしたとおり、自分の脂肪を吸引してから注入します。よって、もともと脂肪が少なく細い方には不向きな治療法。しかし、アレルギー反応もほぼなく、自分の細胞なので生着率が高いため持続効果は半永久とされています。触感も柔らかく、本物のバストそのものでシコリなどもできにくいことが特徴。脂肪吸引を考えている方で、よりメリハリ美ボディに仕上げたい方にオススメの治療法です。
イラスト:荒井晴美
注入による豊胸術の術後経過と持続性も、種類によって異なります。
基本的には、バストの傷口は小さめでダウンタイムが短いとされています。
■ヒアルロン酸
ヒアルロン酸による豊胸治療のダウンタイムは短く、よほどハードな仕事や予定ではない限り、翌日から日常通りの生活が送れます。注入による傷口も小さく、ほとんど目立ちません。感覚としては、筋肉痛のような痛みが出る場合もあります。注入するヒアルロン酸のメーカーによって多少変化はあるようですが、持続期間はだいたい1年から2年ほどとされています。
■アクアフィリング/アクアリフト
ヒアルロン酸同様、治療後のダウンタイムは短く、シャワーも可能。お仕事も休む必要がないとされています。注入による治療なので、傷痕は小さく、縫合の必要はありませんが、クリニックによっては縫合して抜糸をする場合があります。だいたい1週間後に来院します。持続性は、5~6年とされており、ゆっくり体外に老廃物と一緒に排出していきます。授乳も大丈夫とされており安全性の高さが伺えます。
■脂肪注入
脂肪注入による豊胸術も、バストの痛みは少ないとされています。しかし、脂肪吸引をした箇所が内出血になったり腫れる場合があります。痛み自体はほぼなく、痛み止めでコントロールが可能。痛みに弱い方は事前に医師に相談をしましょう。また、術後1週間から2週間はむくみも出やすいそうです。吸引した箇所も、注入した箇所もどちらも締め付けないように過ごしましょう。持続期間は、半永久とされています。脂肪吸引をする箇所があれば、追加で注入も問題ありません。
フィラー注入による豊胸術は原価がかかります。そして、麻酔代、痛み止めなどの薬代診療代が別途かかることもあります。抜糸やアフターカウンセリングでさらに追加料金がかかることもあることも。はじめに確認をしておきましょう!
■ ヒアルロン酸
ヒアルロン酸の種類にもよりますが、相場とされているのは、
片側50ccずつの両側で¥300,000~¥400,000
プラス、麻酔代が別にかかる場合があります。
広告で安いプランを打ち出している場合、新人医師によるモニター価格や韓国製品のもともと原価が安い製剤を使用していることがあります。
■ アクアフィリング/アクアリフト
98%の水分と2%のポリアミドで構成されている製剤はいまのところ、アクアフィリングとアクアリフトしかありません。
アクアフィリング
片側50ccずつで両側で¥300,000~¥500,000
アクアリフト
片側50ccずつで両側で¥200,000~¥400,000
価格の幅はありますが、別途かかる費用によって総合額が変わってきます。
■ 脂肪注入
脂肪吸引してバストに注入します。
ピュアグラフト、コンデンスリッチ、PRP再生療法など注入方法はさまざま。
価格は¥600,000~¥2,000,000
脂肪吸引をする箇所や量によってことなります。生着率はいずれもほとんど変わりません。
サイズアップに関する目安としては、ヒアルロン酸はブラジャーのサイズが1カップほど、アクアフィリング/アクアリフトは2カップ程度のバストアップが可能。脂肪注入は、脂肪の吸引量により異なります。
微調整や、形を整える、片方だけということでしたらどの注入法も対応できるでしょう。
サイズアップの目的にしろ、微量をいれたとしても、術後1か月は極力、圧迫や締め付けを避けることが大切です。下着のサイズは1カップあげて、ワイヤーの入っていないソフトタイプのブラジャーを着用が望ましいです。医師によるアフターケア以外で強く押したり揉んだりしないようにしましょう。
締めつけのない下着を選びましょう
注入治療は、シリコンバックを挿入する豊胸より手軽ではありますが、決して平均の仕上がりにはなりません。
やはり、医師の技量により差がつきます。
細かい形の整えや、左右バランスなどは、ただ量を入れればいいというわけではありません。
カウンセリングから、麻酔、治療、アフターケアまでしっかりとした知識と経験値があるドクターを選ぶようにしましょう。
バストサイズや、形を整えるという事は、密かなコンプレックス解消のほか、今まで以上に洋服のラインがキレイに見えたり、ランジェリーを楽しむ幅が増えてきます。背筋を伸ばして、自信に繋がるプロポーションへと導く治療法として再注目されています。
わずかな悩みであっても美容医療のプロに相談をしてみてください。
ちょっとの差で、もっと自分に自信がつき美しくなれることでしょう。
【監修】コムロ美容外科 総院長・医学博士 小室 好一先生
昭和大学医学部卒業後、同大学外科勤務などを経て平成3年コムロ美容外科東京本院(高田馬場)を開院。
その後、宮崎院、大分院開院などを経て、平成25年に東京銀座へ移転オープン。
医学博士
米国アンチエイジング認定医
日本美容外科学会正会員
日本外科学会正会員
日本麻酔科学会正会員
日本超音波医学会正会員