まずは自分が眼瞼下垂かどうかチェックしよう。
目つきが悪いとよく指摘される、眠くないのに眠そうと言われる、目を開くとおでこにシワができる、まぶたが重く目を見開けない。眼瞼下垂の典型的な症状です。皮膚はおでこから頭皮につながっているため、目の疲れ、肩コリ、頭痛など複数の不調の原因にもなります。
□ おでこに太いシワが目立つ
□ 目を開けると眉毛が高く上がる
□ 頭痛や肩コリがひどい
眼瞼下垂セルフチェック法
(1)アゴを引いて、目を閉じる
(2)眉毛のあたりを指で抑える
(3)その状態で目を開いてみて、
まったく開けないか開きづらい場合は、
眼瞼下垂症の疑いが強い
眼瞼下垂の人はまぶたの筋肉だけで目を開けづらいので、おでこの筋肉を使って目を開く。
その際にアゴがあがるクセも出やすい。
原因不明の頭痛・肩コリに悩まされていたら眼瞼下垂の可能性を考えてみる。
人間は、まぶたの裏にある眼瞼挙筋やその先にあるミューラー筋という筋肉を使ってまぶたをあげています。眼瞼下垂は、なんらかの要因でその力がうまくまぶたまで伝わっていない状態です。
原因としては、遺伝による先天的な形成不全が最も多く、後天性の場合は、加齢や神経障害、コンタクトレンズが原因になることも。片目のみの発症が多いですが両目同時に起きる場合もあります。
眼瞼下垂は、視力に大きな負担をかけるだけでなく、おでこの筋力で目を引き上げることになるため、頭皮から肩にかけて筋肉や皮膚に余分なテンションをかけ続けることで、頭痛や肩コリ、そのほか多くの不調の原因になってしまうのです。
おでこのシワや眠そうな目元は、見た目にもネガティブな要素が大きいので、自分が眼瞼下垂かもと思ったら、早めにドクターに相談してみてください。
まぶたを持ち上げる「眼瞼挙筋」、「ミューラー筋」と挙筋腱膜、瞼板が離れ、眼瞼挙筋の筋力がまぶたにうまく伝わらない状態。生まれつきの場合もあれば、筋力の衰え、ハードコンタクトの長年の使用なども主な原因として考えられます。
今さら聞けない眼瞼下垂(1)
保険診療で受けることができる?
「おでこのくっきりジワ、そしてやぶにらみの目」といった外見に関わる特徴から美容医療の範囲と考えられることも多い眼瞼下垂の治療ですが、疾患として健康保険適用で治療を受けることもできます。保険適用かどうかでそのコストは1/10になります。(保険ありだと5万円、保険なしだと50万円くらい)
保険適用できるかどうかをわけるのは「治療が美容目的かどうか」。つまり、目の機能不全を治すだけの手術であれば、保険が適用できるのですが、ここで悩みどころなのが、「せっかくだから理想的な目元を手に入れたい」ということ。少しコストをかけてでもこの機会に理想的な目元に変身したいと願うなら、併せて美容整形手術を受けるのもオススメ! 周囲にも健康のための手術と説明しやすいのも◎
今さら聞けない眼瞼下垂(2)
まぶたの不調は、すべて眼瞼下垂?
まぶたがうまくあがらないのはすべてが眼瞼下垂ということはありません。例えば、まぶたの皮膚がたるんだり、眼球が病気によって縮小したり、萎縮したりして起こるケースもあります。これらは「偽眼瞼下垂」(ぎがんけんかすい)と呼ばれます。特に前者については、加齢によって頻繁に生じて、しばしば容姿の衰え、顔の老化の大きな原因となります。
眼瞼下垂の治療法
眼瞼下垂の治療はほとんどがメスを使う手術です。眼瞼下垂の手術で一番大切なのは、もちろん「目を開きやすくすること」。しかし、一方で目という顔の中でもかなり目立つパーツの手術なので、左右対称にしたり、綺麗な目の形を追究したりと、突き詰めると美容面での配慮も必要になってくる手術です。
半永久的に治すなら眼瞼下垂の治療はメスを使う外科手術がメインになりますが、比較的軽度の症状については、切らない治療という選択肢もあります。
切る治療法
眼瞼下垂修正法の、代表的な3つの手術をご紹介します。
美容目的の場合は、これらの「目を開きやすくする手術」に加えて、目頭の切開や眉毛下の皮膚の切除など、細かく他の手術が組み合わされることもあります。非常に繊細で技術が問われる手術なので、医師選びは慎重に行ないましょう。
「目が開くこと」のみでいいか、美容面を追究するかで手術の複雑さが変わってきます。
【費用】
保険適用→約2万円~5万円
自由診療→約25~50万円
現代における眼瞼下垂の代表的な手術
■眼瞼挙筋腱膜前転術
筋肉と連動していない挙筋腱膜を一部剥離して、眼瞼挙筋と瞼板に固定します。切除を行なわないため、術後の仕上がりや安全面において評価の高い手術です。
昔から行なわれてきた開瞼手術
■眼瞼挙筋短縮術
挙筋やミューラー筋を切り取って短くする。まぶたの表側から手術する場合と裏側から手術する場合があり、表から手術した場合は傷跡が残り、裏から行なった場合は二重がなくなってしまう。
まったく筋力がなくなった場合の手術
■筋膜移植法
挙筋が完全に衰えてしまった場合に、別の部位から筋膜をまぶたに移植する方法。深側頭筋膜か太もも外側の筋膜を使う。
切らない治療法
軽度の眼瞼下垂の場合は切らずにできる治療法も考えてみましょう。
重症の眼瞼下垂については、切らずに治療することはほぼ不可能ですが、軽度の眼瞼下垂や皮膚のたるみなどによって生じる「偽眼瞼下垂」の場合は、切らない治療法もいくつか存在します。
もし仕上がりが気に入らなかったら、元に戻すという選択肢もあるのが、切らない治療法のメリット。
保険適用の治療は今のところ存在しません。
現代における眼瞼下垂の代表的な手術
■埋没式眼瞼下垂
糸を通すことで挙筋と瞼板を固定する手術。埋没法といっても一般的な二重の埋没法に比べてダウンタイムも大きく、やや不自然な仕上がりになります。
【費用】自由診療→約30~40万円
あのマドンナも大ファン メスなしで目元引き締め
■マドンナリフト(フラクショナル炭酸ガスレーザー治療)
フラクショナル炭酸ガスレーザーを用いて、目周りのエイジングケアや切らない眼瞼下垂修正を行なう。挙筋の働きを回復することはできないが、たるみが原因で起きている目元の不調の改善ができる。
【費用】1回→50,000円~100,000円