歯髄由来の幹細胞上清液とは

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更新日：2023年9月21日
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歯髄幹細胞由来上清液とは、ヒトの歯の中心にある神経部分から採取した幹細胞の培養上清液です。歯髄由来の幹細胞上清液について解説します。

歯髄幹細胞由来培養上清液の特徴

歯髄由来の幹細培養上清液とは、ヒトの歯の中心にある神経部分（歯髄細胞）から採取した幹細胞の培養上清液のこと。固いエナメル質・象牙質に囲まれた部分に存在するため、がん細胞の侵入など外部からの影響を受けにくく、質のよい幹細胞を含んでいると言われます。赤ちゃんからお年寄りまで、どの年齢層の人にも歯髄幹細胞はありますが、若い細胞のほうが成長因子を多く含んでいます。そのため、幹細胞培養上清液として使用する際には乳児の歯（乳歯）を使用します。歯髄由来の上清液は、サイトカイン（*1）だけでなく、エクソソーム（*2）などの生理活性物質も豊富に含んでいることが特徴です。
*1 サイトカイン (cytokine) とは、細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質の総称です。生理活性蛋白質とも呼ばれ、細胞間相互作用に関与し周囲の細胞に影響を与えます。
*2 エクソソーム（Exosome、エキソソームとも呼ばれる）は細胞から分泌される直径50-150 nm（ナノメートル：10億分の1メートル）の顆粒状の物質。その表面は細胞膜由来の脂質、タンパク質を含み、内部には核酸（マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど）やタンパク質など細胞内の物質を含んでいます。

注意点

歯髄幹細胞由来培養上清液はヒト由来の成分を使用しているので、ダウンタイムはほとんどありません。法的な手順を踏んだ正式なドナーから提供されているため、安全性の高い治療法と言えます。ただし、ごくまれに点滴による感染症や神経損傷が生じることが報告されています。
また、この治療を受けた方は、献血ができなくなる可能性があります。