2008年に法律が改正され、患者や通う人にわかりやすくするために、様々な名称が使えるようになりました。その中の一つが「美容皮膚科」です。皮膚疾患に対してだけでなく、美容を目的とした、素肌を美しくする皮膚科のことを指します。皮膚疾患を治す皮膚科のメニュー+美肌目的の注入治療やレーザーによるしわ伸ばし、ホクロ治療など形成外科の技術も取り入れました。メスを使わずに治療を行うので、比較的気軽に通えます。いわゆる『プチ整形』と呼ばれるメニューを中心に扱っています。
主なメニューとしてはボツリヌス注入薬治療やヒアルロン酸の注射、ケミカルピーリングや、レーザー脱毛、シミ治療等レーザー療法、ニキビ治療、たるみやくすみなどのスキンケア、若返り治療などです。
一方の「美容外科」ですが、こちらはメスを使った手術が中心。切る治療法がメインなので、かなり大がかりなものが多く、治療後にはダウンタイムがあります。もちろん金額も大きくなることは考えられます。治療を受ける際には、長い休暇を取ることができるか、料金を支払うことが可能かを考慮しなくてはなりません。
ざっくりおおざっぱに分けると、「メスを使うかどうか、切るか切らないか」によって分かれることになります。
例えば小顔メニューに絞って見てみますと、美容皮膚科では「ボツリヌス・トキシン」の注入、「エレクトロポレーション」による引き締め美容液の導入、「ポラリス」などレーザー照射による引き締めなどが行われます。
美容外科では「ホホの脂肪吸引」「溶ける糸挿入によるリフトアップ」「切開して引き上げるリフトアップ」等によって小顔に導いていきます。いわゆる『美容整形』の分野です。なお、美容外科によっては、切る治療と切らない治療の両方を扱っているクリニックもあり、それらを組み合わせることもあります。
ホクロの除去などはメスで切ったほうがキレイな仕上がりになる可能性もあるので、場合によっては両方の技術を併せ持っているクリニックのほう良いかもしれません。
どちらも本来なら受けなくても機能的には支障がない上での治療なので、自由診療となり健康保険がききません。100%自己負担となります。また一度受けたらそれでおしまいではなく、定期的にメンテナンスを行う必要性も出てきます。
選ぶ時に大切なのは、自分がなにを目的としているかをしっかり見極めることです。
『見た目にもすぐにわかるような変化がほしい』という人には美容外科を、『ほんの少しここを変えたい』という人には美容皮膚科が良いでしょう。
全国展開しているチェーン系の美容クリニックであれば、どちらの治療も扱っていると思って間違いありません。ホームページの「当院の理念」「ドクターの紹介」などのページを注意深く読むと、そのクリニックが得意としている、大切にしていることが見えてきます。
一つしかない自分の顔や身体を預けるのですから、そこはじっくりと見比べたいものです。メール相談を受け付けているクリニックも多くありますので、気になるところが見つかったら相談してみるのも良いです。カウンセリング後も一つのところだけで決めるのではなく、いくつか回ってみることも時には必要です。
自分に最適なクリニックに出会えるように、さまざまな手段を使って調べてみましょう。そしてコンプレックスから脱出してみませんか。