（1）できあがった乳房が固い

これは特にヒアルロン酸豊胸で多い失敗例です。ヒアルロン酸はもともと顔のプチ整形に使われているもので、バストのふわふわとした柔らかさを再現するのに違和感を生じる可能性があります。最近ではバスト専用の柔らかいヒアルロン酸があるので、施術の際は必ずそちらを選ぶようにしてください。人工乳腺バッグについては、最新の手触りが向上したものを選ぶようにしてください。脂肪注入に関しては、ほぼ液体に近いので固くなることについての心配はそれほどないと思います。

（2）しこりができてしまった

体内に異物が入ることで身体が免疫反応を起こし、バストに入れたものの周囲を皮膜上のもので包んでしまうことがあります。ヒアルロン酸にしても、人工乳腺バッグや脂肪注入にしても、体内に異物を入れることには違いが無いので、たとえどの手術を選んでもしこりができる可能性はゼロにはなりません。また、脂肪注入は胸の中で石灰化することがあり、これも外から触るとしこりに感じます。石灰化した脂肪はマンモグラフィーで乳がんと区別がつきづらくなるという欠点もあります。

（3）形がおかしい

上記のしこりにも通じるものがありますが、豊胸手術をしたことで体内では様々な免疫反応が起き、入れたものが予定したのと違う形で固まってしまうこともありえます。左右で違う形だったり、自然ではありえないまん丸の形になってしまう可能性もあります。

（4）乳房が接近しすぎて手触りがヘン

グラビアアイドルのような谷間のある大きなバストを望み、バッグを入れる際の空間作りの時に剥離をしすぎて、乳房同士がくっついてしまうということがあります。見た目も不自然ですし、人工乳腺バッグの縁が出てしまい、その手触りは普通のバストとは程遠いものになります。

（5）人工乳腺バッグが破れてしまった

人工乳腺バッグは、5～10年の経年劣化や何かの衝撃で破れてしまうことがあります。取り出す手術が必要です。

（6）痛みやしびれが続く

豊胸手術は胸周辺の筋肉や皮膚に大きな負担をかけます。特に人工乳腺バッグの場合は、筋肉を剥離し、バッグを入れるのですから、術後のダウンタイムの痛みも激しいものがあります。多くの場合は自然に回復していくのですが、いつまでも痛みがとれないというケースもあります。胸を美しく豊かにすることとそれを手に入れるための痛みを天秤にかけて、納得した上で手術に臨んで下さい。
体内に異物を入れるというのは、本人が思っている以上に心への負担も大きく、いつまでも続く痛みや異物感の原因が、心理的な圧迫感だったという例も多くあります。この場合は異物を取り除かなければ痛みは取れないでしょう。

ここまで多くの失敗例についてあげてきましたが、もちろんこれらは必ず起きるわけではなく、失敗することの方が数として少ないのは確かです。ただし、人の身体といういかようにも変化する不思議な対象を扱うのですから、どんな名医であっても100％の安全はありません。でも失敗の確率を減らすことはできます。それは豊胸手術の症例をたくさん持っている院を探すこと。そして、あなたのバストだけではなく、健康まで深く気遣ってくれる担当医を見つけることです。
また、費用をケチって安いヒアルロン酸を使ったり、メーカーのはっきりしない人工乳腺バッグを使って、安物買いの銭失いになるのは一番バカバカしいことです。

長年の夢を叶える豊胸手術。どうかしっかりと心と身体の準備を整えて挑んでください。

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