コンデンスリッチ豊胸は、自身の脂肪を使っておこなう豊胸術のひとつで、日本医療脂肪移植研究会CRF協会が認可したクリニックでのみ受けられる豊胸術です。カニューレ(吸引管)で太ももやお腹から脂肪を吸引し、その脂肪から不純物や死滅または劣化した脂肪細胞を空気に触れさせないまま遠心分離で除去し、濃縮(コンデンス)した脂肪細胞のみをバストに注入します。この状態の脂肪細胞は、コンデンリッチファット(CRF=濃縮脂肪細胞)と呼ばれており、アメリカFDA(日本の厚生労働省にあたる)の認可を受けた遠心分離機「LIPOMAX-SC」が使用されます。
コンデンスリッチ豊胸の特徴
コンデンスリッチ豊胸で使用される遠心分離機「LIPOMAX-SC」には、特許技術の「ウェイトフィルター」が搭載されています。「ウェイトフィルター」には2つの作用が働いており、これが通常の遠心分離機で抽出される脂肪との大きな違いを生み出す部分です。まず1つ目がウェイト(重さ)。採取した脂肪を遠心分離する場合、圧力(G)がかかります。ウェイトフィルターがついたLIPOMAX-SCは、通常の遠心分離機の25倍の圧力がかかるので、これに耐えられる元気な脂肪細胞だけが残り、劣化した脂肪細胞は潰れ液状化し、排出されるオイルになります。
2つ目の作用は、フィルタリング。遠心分離の圧力(G)によって振分けられた脂肪細胞は、液体のみを通すフィルターによって、シリンジの中で健康な脂肪細胞や血液・細胞膜と廃棄される不純物に分別されます。不純物には、液状化しオイルとなった劣化脂肪細胞の他に、細胞の破片や死滅した脂肪細胞も含まれます。最終的には血液・細胞膜も廃棄され、純粋な濃縮脂肪細胞(コンデンリッチファット)が完成します。この活発な脂肪細胞のみを厳選できるシステムが、脂肪の定着率をアップさせシコリや石灰化のリスクを大幅に軽減しています。
コンデンスリッチ豊胸は、従来の脂肪注入豊胸と同様に腹部や太ももなどから余分な脂肪を吸引します。次に、採取した脂肪が入ったシリンジを10分程おき、チュメセント液(麻酔薬)と分離するのを待ってチュメセント液(麻酔薬)だけを廃棄。その後、専用の遠心分離機にかけ、注入するための濃縮(コンデンス)脂肪を抽出します。ここまでの作業は、先述したウェイトフィルターの一連の流れも含め、吸引した脂肪を外気に触れさせないまま行われます。空気に触れないということは、無菌状態の純粋な脂肪ができるので、懸念される感染症のリスクもほぼなくなります。
このような方におすすめ
- 人工物を入れるのは心配という方
- シリコンバック(人工乳腺)豊胸は、確実にバストアップが可能ですが、拒絶反応が起こるリスクもあります。自身の体から取り出した脂肪を使う豊胸は、そのようなリスク回避にも繋がります。
- 半永久的に自然なバストをキープしたい方
- 半永久的なバストアップ効果はもちろん、年齢とともにバストの形が変わっても、注入した脂肪は定着しているので、注入部位だけが変化することもありません。
- 理想のプロポーションを目指したい方
- 太ももやウエストからの脂肪吸引と豊胸が同時にできるので、メリハリのある女性らしいボディラインが叶います。
よくある質問
- Q.コンデンスリッチ豊胸はどこで受けられますか?
- コンデンスリッチ豊胸はCRF協会認可のクリニックでのみ受けることが可能です。CRF協会のホームページに認可済クリニックの一覧が掲載されているので、事前に確認してください。
- Q.脂肪の定着率は普通の脂肪注入と違いますか?
- コンデンスリッチ豊胸は、注入する脂肪を分別し、より定着率の高いアクティブな脂肪細胞のみを使用するため、通常の脂肪注入豊胸が30%の定着率に対し、70%以上の定着率が期待できます。
- Q.2カップ以上大きくなりますか?
- コンデンスリッチ豊胸は1.5〜2カップ程度のサイズアップが可能です。しかし、コンデンス(濃縮)した脂肪細胞を使うので定着率も高いですが、サイズアップ効果は個人差がありますので、確実に2カップ以上を望まれる場合はシリコンバック豊胸がおすすめです。。
リスク・副作用・ダウンタイム
- リスク・副作用
- しこりや石灰化のリスクはありますが、他の脂肪注入豊胸に比べて格段に少ないです。注入は注射器で行うので、傷跡はほぼ分からなくなります。脂肪吸引による身体への負担があります。
- ダウンタイム
- 1週間程度、痛みや腫れがあります。また、1ヵ月程度はバストに脂肪が定着していないので強い刺激は厳禁です。デスクワーク程度であれば翌日から可能ですが、体を動かす仕事や運動は2〜3日控えるようにしましょう。脂肪吸引した部分は、内出血やむくみや腫れが起こります。回復を早める圧迫サポーターや専用の下着などを着用するようにしましょう。