紅茶の定義

紅茶は、完全発酵茶（全発酵茶）と呼ばれています。
摘み取ったチャノキの葉と芽に含まれる水分を飛ばしたのちに揉みこんで完全発酵させ、その後に乾燥・加熱の工程を経て製造されます。

お茶の分類

お茶はその発酵度合いに応じて、緑茶、青茶（ウーロン茶）、紅茶、黒茶（プーアル茶）に分類されます。
元々同じ茶葉でありながら、お茶の種類ごとで味や香りに違いが生まれるのは、実は茶葉に含まれている酸化酵素と渋み成分タンニンを含むカテキン類など300種類以上の成分が、発酵の過程で反応し様々な物質を生成するからなんです。
例えば紅茶が赤いのはポリフェノールの一種のテアフラビンによるもの。
この発酵の過程では葉緑素も酸化されるため、発酵が進むにつれて茶葉は鮮やかな緑からだんだん暗い色へと変化していきます。

紅茶の成分と美容＆健康効果

紅茶ポリフェノール

紅茶の渋み成分タンニン（カテキン）や色素成分テアフラビンとして含まれています。
ヒトの血中コレステロール濃度の低減や血圧降下に効果があるほか、がん細胞の成長や生存、転移を抑制することが研究によって確かめられています。
また、抗酸化作用があり、肌の老化を促す糖化を抑制するため、エイジングケア効果も期待できます。

カフェイン

紅茶の茶葉には、重量にして3%程度カフェインが含まれており、その量はコーヒー豆の3倍、お茶類の中では最大です。
ところが、紅茶とコーヒーでは1杯に換算すると使用する茶葉や豆の量に大きな違いがあるため、1杯当たりのカフェイン量はコーヒーの方が高くなります。
カフェインには皮下脂肪燃焼効果や利尿作用があり、体内に溜まった老廃物を排出してくれるので、ダイエットや美肌効果も期待できます。

風味と健康・美容効果を高める紅茶の淹れ方

紅茶が持つ鮮やかな赤色は、実は使う水の硬度（ミネラル分の量）によって変わります。
紅茶に含まれるタンニンが、水のミネラル分と反応して色、そして味や香りも作り出すのです。例えば硬度が高い硬水で作ると、色は黒っぽくなり香りは弱まってしまいますがコクが出ます。その一方、硬度の低い軟水で作ると鮮やかな赤みを帯び、渋みや香りが良く出るようになります。
また、水だけでなく、紅茶を淹れる際に用いるポットの素材にも注意が必要です。
紅茶のタンニンが鉄分と反応して風味を損なうだけでなく、紅茶の色を黒っぽくしてしまうことがあるので、鉄分を含むポット（ステンレスポット等）の使用は避け、できるだけ陶器や銀製のティーポット、あるいはガラス製のティーサーバーを使うことをおすすめします。

これまで紹介してきたように、普段から何気なく飲んでいる紅茶には、嗜好品としてだけでなく、美容と健康に役立つ力が秘められています。
アールグレイなどのフレーバーティやハーブティなど、様々なバリエーションがあり飽きずに続けられる要素もたくさんあります。
是非、紅茶生活を通じて、美容と健康を意識した毎日送ってみてはいかがでしょうか。

（サクマユウナ）

執筆者：alluxe編集部