美肌の果物・柑橘類の意外な落とし穴
紫外線の強くなる夏場に、ビタミンCを多く含む柑橘類を意識的に摂っている方も多いと思いますが、柑橘類にはビタミンC以外に、紫外線を吸収し肌にダメージを与える光毒性が指摘されている「ソラレン」という物質も含まれていることをご存知でしょうか。
ソラレンが光毒性を発揮するのはだいたい食べて2時間後から7時間ほど。仮に7時に朝食としてソラレンを含む食品を食べると、紫外線量の多くなる9時から16時までの間、普段よりも紫外線の影響を受けやすくなるということになるんです。これではせっかくのビタミンCの美肌効果も台無し。もったいないです。
もちろん、光(太陽光)を浴びない限り光毒性は出てこないので、ソラレンを含むものでも夕方から夜に摂る分には特に問題はありません。
柑橘類の持つビタミンCの恩恵を受けたい場合は、朝食やランチではなく、夕食や夜食として摂ることがおすすめです。
ソラレンと光毒性の関係
ソラレンは摂取後2時間くらいで全身の皮膚表面に届きます。この状態で太陽の光を浴びると、ソラレンは光エネルギーを蓄積し、そのあと表皮深層や真皮部分に向けて放出してしまうため、普通の日焼け以上の強いダメージを皮膚に与えることがわかっています。
主な症状として肌のシミやかゆみ、赤みとして現れることが知られており、これらは光毒性(光感作作用)と呼ばれています。光毒性があるのはソラレンだけに留まらず、その誘導体でもあるフロクマリン類などにもあるため注意が必要です。
このような光毒性を持つソラレンですが、一方で紫外線を吸収しやすいという特徴が有効利用されています。何らかの原因で体内でメラニンを生成することができず、肌が白い斑状になってしまう「尋常性白斑」の治療において、内服や外用の薬として用いられているのです。
朝食では避けるべき、ソラレンを含む食材
柑橘類はもちろん、キウイフルーツやアセロラ、そして野菜類ではきゅうりに注意が必要です。
きゅうりは以前にきゅうりパックとして使用されたこともありますが、今ではデメリットの方が多いことがわかっています。
その他ブロッコリーやパセリ、セロリ、しそ、三つ葉などにもソラレンが含まれていますので、もし朝食時にこれらの食材を摂ってしまった場合は念入りに日焼け止めを使うようにしてください。
朝食におすすめな食材
カロテノイド(βカロテン、リコピンなど)を含むトマトやにんじん、カボチャなどの緑黄色野菜がおすすめです。
その中でもトマトに多く含まれるリコピンはビタミンEの100倍以上の抗酸化力を持ち、健康や美容の面からもさまざまな効能が期待されています。
メーカーの研究結果によるとリコピンの吸収率が良いのは朝とされているので、紫外線対策にもうってつけと言えるでしょう。朝にスムージーを飲むなら、柑橘類ではなくトマトを使うとより紫外線対策に効果的です。
「朝食は美容のことを考えて柑橘類のフルーツだけ」というのは、一見美容と健康を意識した食生活をしているかのように思えますが、肌のことを考えると、必ずしも正解でないことがわかっていただけたかと思います。
これを機会に、朝食の食材にも少し気を付けて内側からの紫外線対策も考えてみてはいかがでしょうか。
(サクマユウナ)
執筆者:alluxe編集部