紫外線アレルギーとは?
別名日光(光線)過敏症とも呼ばれる、アレルギー疾患の一つです。
花粉症やシックハウス症候群、食物アレルギーなど他のアレルギーと同様に原因物質(この場合は日光、特に紫外線が皮膚に当たるときに生じるアレルゲン)に対して身体がアレルギー反応を起こすことがあります。
主な症状
最も多いとされているのは目のかゆみや肌の湿疹で、湿疹の場合は紫外線を浴びてしまった箇所が赤くなって蕁麻疹ができます。
しかし、症状の重さには個人差が大きく、酷い場合には水ぶくれが出来てしまうこともあれば、症状が出るのは紫外線を浴びた直後のみ、1時間くらいで湿疹もひいていくこともあります。
紫外線アレルギーの種類と原因・対処法
紫外線アレルギーには種類があり、好発年齢や原因もそれぞれ違いがあります。ここでは代表的なものをいくつか紹介していきます。
色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)
生まれた子供が初めて外出した時に、ほんのちょっとの日光を浴びただけなのにひどい日焼けが生じることで気付かれることが多いです。すぐに皮膚科専門医に診てもらい、徹底した紫外線防御の方法の指導を受ける必要があります。
※酷い日焼けをしない替わりに、ソバカスがどんどん濃くなってくる場合は色素性乾皮症バリアントの可能性があります。ただ、親子でソバカスが濃い場合は特に心配はいりません。
多形日光疹(たけいにっこうしん)
春先の晴れた日や海外など、強い紫外線を浴びたときに体内に生じるアレルゲンに対して起こるアレルギー反応で、いわゆる紫外線アレルギーの代表格と言えます。
痒みを伴う赤いブツブツが腕などに出ることがありますが、顔に出ることはあまりないです。傾向として10~30代の女性に多いことが知られています。
よく勘違いされることが多いのですが、実は紫外線そのものにアレルギー反応を起こしているわけではありません。
そのままにしておいても2、3日で自然に治りますが、ステロイドを塗ることで早く治すことができます。症状が出てからしばらくは日焼け止めをつけて外出するよう心がけてください。
日光蕁麻疹(にっこうじんましん)
これも紫外線アレルギーの代表格で、日光を浴びた部分がすぐに赤くなって痒みを生じます。ひどい時にはみみずばれになることもあります。主に可視光線が原因となるのですが、紫外線が原因のこともあります。
日光を避け、日陰や屋内に入れば症状も30分くらいで自然と治まります。対処法としては朝と昼に抗ヒスタミン薬を飲むことで予防できますが、強い日差しを浴びると症状が出てしまうことがあるため完全ではありません。
薬剤性光線過敏症(やくざいせいこうせんかびんしょう)
日常的に色々な内服薬や外用薬のお世話になる中年期から老年期の方に多いのが、薬剤が原因となる薬剤性光線過敏症です。
中でも多いのがチアジド系の降圧利尿薬が配合された降圧剤によるものです。
この薬を服用していて「日焼けしやすくなった」と感じたら、主治医に相談して薬の種類を変えてもらうことをおすすめします。
紫外線アレルギーがやっかいなのは、人目が気になるのもありますが、それ以上に一度発症すると完治が難しい点につきます。
これまで紹介したように薬によって一時的に症状を緩和することができたり、症状が現れず治ったように感じることもありますが、何らかのきっかけでいつ何時、再発症してしまうかわからないからです。
日焼け止めや日傘をうまく活用して浴びる紫外線の量を減らすと共に、食生活や運動で体質改善を意識して、紫外線アレルギーと根気よく向き合っていくようにしましょう。
症状が酷い場合は皮膚科を受診することも忘れないようにしてくださいね。
(サクマユウナ)
執筆者:alluxe編集部