結膜とその役割

眼球を上下左右自由に動かせるのは、ピッタリと癒着（ゆちゃく）せずに、まぶたの裏側と眼球の表面を結びつないでいる薄い膜「結膜」があるからです。
この結膜には粘液や涙を分泌することで目の表面を潤すほかに、微生物の侵入を防ぐ役目もあります。
花粉シーズンになると目のかゆみで掻いたりすることで雑菌が侵入しやすくなるため、特にこの結膜に関係する目のトラブルに注意が必要です。

「デカ目メイク」の手法とそれに関連する目のトラブル

インサイドライン

まつ毛の生えぎわの赤いところ（粘膜部分）にアイラインを入れることで、黒目がちになり目が大きく見える、というメイク方法です。 まつげの内側の粘膜には、眼球に潤いを与える脂を分泌する『マイボーム腺』という器官があります。インサイドラインを入れることで、このマイボーム腺を塞いでしまうため、目が乾燥しがちになり、ドライアイになってしまう恐れが。
ドライアイになることでも目に雑菌が侵入しやすくなるため、花粉シーズンはものもらいやアレルギー性結膜炎に特に注意が必要です。

マスカラ

マスカラの場合も「目を大きく魅せるために、まつ毛の根元からしっかりつける」というメイク方法がありますが、アイライン同様にマイボーム腺を塞いでしまう可能性があるので注意が必要です。

コンタクト（カラコン）

コンタクトも「黒目が大きく見えるから」と視力矯正の目的以外で装着される方が増えてきました。コンタクトレンズの消毒が不十分であったり、他人と使いまわしするなどの不適切な使用をすると、結膜炎になったり最悪の場合失明するリスクがあります。
コンタクトレンズは本来医師による処方が必要な医療機器です。特にカラコンの場合は酸素の透過性が不足しているものもあり、見えにくくなったり、まぶしさを感じることもあるので注意が必要です。

対策

花粉シーズンはただでさえ、刺激に敏感な時期です。些細なことがきっかけで症状が現れしまうことも多いため、そのリスクを抑えるためにも、コンタクトやつけまつげ、アイラインなどの目のふちの粘膜にアイメイクをすることは出来るだけ控えましょう。
花粉症の方がマスカラをつける場合は、まつ毛の根元に付かないようにするなどの工夫も必要です。

花粉シーズンもパッチリ目になりたい方には

落ちないメイクであるアートメイクを施すという方法があります。
ただし、これは「皮膚に針で色素を入れていく」れっきとした医療行為であり、医師免許を持つ人のみが行うことができます。 アートメイクサロンなど医師免許を持たない人による施術の場合は、痛みや腫れが治まらなかったり、施術部分が化膿したり、角膜損傷など深刻な失敗やトラブルが起きる恐れがあります。

目は替えの利かない唯一無二の器官です。取返しのつかない状態にならないよう、少しでもおかしいと感じたら医療機関で診てもらうようにしてください。

今回アイメイクと目のトラブルについて色々見てきましたが、アイメイクが女性をより魅力的にしてくれる心強い味方であることに変わりはありません。
今回お話した内容を頭の隅におきつつ、アイメイクを楽しんでいきたいものですね。

（サクマユウナ）

執筆者：alluxe編集部