とても重要な役割を果たしている毛細血管

私たち人間の体の中には、血管がいきわたっていることはもちろんご存知ですね。太い動脈や静脈からは直径約0.01ミリ（髪の毛の10分の1ほど）の毛細血管がからだの隅々まで張り巡らされています。全長にするとなんと約9万9,000kmにもなります。まっすぐにつなぐとほぼ地球2周半というから驚きです。
毛細血管の役割は、体中に栄養や水分、酸素を届け、不要な二酸化炭素や老廃物を回収すること。そうして体のバランスをとっているのです。

この毛細血管が何らかの理由で流れなくなったらどうなるでしょう？ 臓器に酸素や栄養が行かなくなり、病気や機能の低下が起こります。また脳の毛細血管が衰えると、認知症の原因にもなるということが近年わかってきました。

また、美容にも大きな悪影響を与えます。肌のすぐ下にはたくさんの毛細血管がターンオーバーに必要な栄養素を運んでいます。もし、この細い血管が死んでしまうと、正常な新陳代謝が起こらなくなり、たるみやしわなどが現れます。

意外とコワい「ゴースト血管」

この毛細血管の減少を大阪大学微生物病研究所の高倉伸幸教授は「ゴースト化」と名付けました。
毛細血管を見ることができる特殊なスコープで見ると、高齢者だけでなく20代～30代の若い人に中にも、消えかかった毛細血管を持つ人たちがいることが判明。
その理由は生活習慣にありました。大食いで糖質を過剰に摂取したり、高い血圧、睡眠不足や運動不足がその主な原因です。

果たして自覚症状はあるのでしょうか？ 明確なものはないのですが、いつも眠い・だるい、末端が冷える、肌がたるむ、こわばる…などが現れます。

どうしたら毛細血管を元気にできる？

ゴースト血管ができてしまったらもうそれは戻すことはできないのでしょうか。 その方法を紹介します。

1）軽い運動（15分以上のウォーキングなど）をする

ウォーキングが難しい人は、部屋の中のその場スキップがよいです。
ふくらはぎは「第二の心臓」と言われ、スキップすることでポンプ機能を高めることができます。
朝・昼・夜と20回ずつ行います。

2）お風呂はシャワーでなくしっかりとお湯につかる

お湯につかって血行を良くし、隅々まで流してあげましょう。

3）食材で改善

毛細血管を鍛えるにはシナモンやヒハツ（島コショウ）などのスパイス、ルイボスティーが効果的です。

4）睡眠をしっかりとる

私たちが眠っている間に、副交感神経が優位になり、血流が良くなります。そして血管を修復する物質が多く出てくるのも睡眠中なのです。

どれもちょっとがんばればできそうですね。いつまでも元気できれいに居たかったら、まずは毛細血管を正常に働かせること！ 日々の生活を大事にすること、それが美と健康につながる、というわけですね。

（佐藤マキコ）

執筆者：alluxe編集部