ターンオーバーの仕組み
肌のターンオーバー。スキンケアの話をしようとするとき、必ず出てくる重要ワードです。ターンオーバーのこと、どれくらい知っていますか?
肌のターンオーバーとは、肌の新陳代謝、生まれ変わりのことです。ターンオーバーを理解するには、皮膚について知ることが大切です。皮膚の成り立ちを見てみましょう。
皮膚は、外側から順に表皮・真皮・皮下組織から成り、ターンオーバーが行われるのは表皮においてです。
表皮は、一番内側から基底層・有棘層・顆粒層・角質層の4層構造になっています。
基底層で誕生した細胞は形を変えつつ、有棘層・顆粒層・角質層に向かって新しい細胞が生まれるごとに表面へと押し上げられていき、やがて垢となって自然に剥がれ落ちます。このサイクルをターンオーバーと呼びます。
理想のターンオーバーとは
部位によって周期が違うので顔に限定して言うなら、理想のターンオーバーは28日周期です。年齢によってもターンオーバーの周期は異なりますが、28日周期が理想なのは変わりません。
ターンオーバーは年を重ねるごとに遅くなっていきます。ターンオーバーが遅いとは、肌の生まれ変わりが遅い、つまり古い細胞がいつまでも肌にくっついていることになります。年をとると日焼けや傷の回復が遅くなるのはこのためです。またメラニンが沈着しやすくなるので、シミの原因にもなります。
ただ、ターンオーバーが乱れるという言葉もよく耳にすると思いますが、これはターンオーバーが遅い、早い、どちらも指します。「早ければ生まれ変わりも早いし良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ターンオーバーが早いとは細胞が成熟しないまま押し上げられ、剥がれ落ちている状態のことです。この未熟な細胞は剥がれ落ちるときに必要な酵素が十分でないので、なかなか剥がれ落ちることができません。それでもターンオーバーが早いために、未熟な細胞が上へ上へと上がってきます。悪循環が続いてしまうのです。
ターンオーバーを乱す要因
ターンオーバーを乱すものはおもに以下が挙げられます。
・洗顔のしすぎ
・成分の効果の強いスキンケア用品の使用
・紫外線
・睡眠不足
・肌の栄養不足
・ホルモンバランスの乱れ
・ストレス
・加齢
加齢は避けることはできませんが、それ以外は努力次第で改善できる項目です。
これらを意識してみることと、美容医療ではケミカルピーリング、ハイドラフェイシャルなどでアプローチすることもできます。
正常なターンオーバーが得られれば、成熟した細胞が生まれ変わっていくことで、シミ・黒ずみ、ニキビ・ニキビ跡、乾燥肌・敏感肌の改善が見込めます。
もうすぐ一年の終わり。一度自身の生活を見直し、ターンオーバーを整えて、新たな年を綺麗な肌でスタートしてみてはいかがでしょうか。
(角 朋美)
執筆者:alluxe編集部