Kプロデューサー
カリスマ美容プロデューサー。
美容番組制作20年のキャリアを持ち、「ビューティーコロシアム」等、数々の美容番組を担当。
多くのタレントを激変させた美のヒットメーカー。音楽番組や情報番組なども手がけ、数多くのゴールデン番組を担当。
イラスト:日向琴子『痩せなきゃクビ!人生崖っぷちダイエット』より
「健康意識のプチ間違い」に潜む危険に注意するべし
編集 9月9日に放映された「バックエイジング」観ましたよ〜。とても濃い内容でいろいろな驚きと発見のオンパレードでした。今月は放映後ということで、番組で取り上げていた美容トピックについて、さらに詳しくお聞きできればと思っています。
Kプロデューサー(以下、K) 御視聴ありがとう! 視聴者の方からも御好評いただき手応えを感じているところです。
今回は「体の内側から健康的に若返る」というのが大きなテーマです。カラダの悪いものを全部出して健康の状態に戻すと、結果として若々しく美しくなるのではないか。
基本的に肌に塗るものは取り上げませんでした。肌というのは外からの侵入物を防ぎ、内からの老廃物を出すという役目をもってるから美容成分を塗っても肌の奥まで届くことはあまりない。それからなるべくケミカルなものは少なくし、免疫力や回復力をより高める方法を探す。つまり、健康情報と美容情報を一つの線にしていくというチャレンジです。
K 血管年齢はあくまで目安だけどね。計るタイミングでもだいぶ変わります。例えば、お酒を飲んだときとかエステ帰りでも大きく変化してしまいます。どこが老朽化しているなんて機械的にはわからないから、全体的に健康にすることが大切なんです。脳梗塞は全身どこかの血管でプラークがちょっと外れただけで起こる可能性があるといわれています。
今回、荻野目さんの血管を改善するのに使ったのは、エステで行われるカッピング(*1)やリンパマッサージ、それと前回このコーナーでも取り上げた漢方の水素の「キキソ(*2)」。漢方の水素は牡蠣殻をベースにした免疫力をあげる天然サプリです。自分の機能をアップするにはナチュラルなものを使うことが大切なんです。荻野目さんは脈拍が非常に低くてめぐりが悪かったんですけど、番組でケアした後は血管やめぐりが改善され良かったです。
編集 細川ふみえさんは薄毛の悩みでしたね。頭髪の悩みを、主に腸内環境の入れ替えで治すというこれまた驚きの内容でした。
K 使ったのはプロバイオティクス(*3)とカッピング、それに、薄毛学の権威・倉田荘太郎先生から提案された赤色LEDの照射による毛根の強化ですね。倉田先生にはホームケア用の塗り薬もいただきました。
女性の薄毛はストレスから来るものが多く、細川さんも腸内が荒れた状態になっていた。女性にありがちなのですが、腸が荒れて便秘と軟便を繰り返している人も多いです。このような原因はストレスの場合が多いです。今回は最近話題の腸内の環境改善を行いました。リラックス目的でカッピングを行い、老廃物やめぐりの改善をしました。このようなことをきっかけに腸内の環境を変えていきます。
編集 なんと腸内環境が変わると人格まで良くなるということでした。
K 今回の番組を終えて細川さんも、「自分に自信がついて優しくなった。常に感じていた胃の痛みによるストレスがなくなり、リラックスできるようになった」と言ってました。
編集 それはよく伝わってきました。健康番組と美容番組のミックスといった感じで、とても新鮮な印象でした。
K 今回タレントさんたちにイヤがられたのが「仕分け」のところ。誰の体が一番悪いかバレてしまうわけだから。
編集 あれは怖い!
K あの「仕分け」の中で、一番肌がキレイだったのが実は光浦靖子。やっぱりお金かけてるだけあるなあと感心しました。
逆に悪い結果が出てしまったタレントさんは、番組が総力をあげてバックアップして改善へと導く、という使命感がありました。
編集 中でも一番びっくりな結果だったのが荻野目慶子さんの血管ですよね……。
K あのことは我々にも衝撃の事実だった。血管が詰まって劣化して、いつ脳梗塞を起こしてもおかしくないらしい状態。しかも本人は健康に非常に気をつかっていて、まったく自覚症状が無かった。もともと血管が詰まりやすい家系というのもあったらしいんですけど、健康意識のプチ間違いで症状が進んでしまったんです。例えば「半身浴」は痩せている人がやると逆効果なので、ダイエット以外は全身浴の方がいい。「野菜をよく食べている」といっても野菜には身体を冷やすものも多いから、代謝を落としてしまう場合もある。
編集 よく言われている健康法を続けているだけではだめだ、と。血管年齢を若返らせるのは人それぞれの方法が大切なんですね。
*1 カッピング 東洋西洋問わず伝わる民間療法の一種。吸玉と呼ばれる手のひらサイズのカップを背中や首などに大量に設置し、中を真空状態にして肌表面をひっぱりあげることで血液の循環を促進する。鍼灸院、エステ、クリニックなどで受けることができる。
*2 キキソ 天然の牡蠣殻を主成分にした漢方サプリ。水素+カルシウムを同時に摂取できる画期的なもの。
*3 プロバイオティクス 人間の腸内は500種類ともいわれるほどの細菌が種類ごとにまとまって存在している。この中で体にとって特に良い働きを持つ細菌のこと。
編集 な、なんですか。なんかついてますか。
K なんか目が小さくなってるなあ。前回よりもたるみがある。最近お疲れなのかな。むくみがちだよね。むくみがちな顔だよね。
編集 うわあ! 今重ねましたね? 大事なことだから2回言ったんですか?
K だから荻野目さんの例のようにデトックスが一番大切なんだよ。むくみは主に水分だけど、それを尿と汗で排出させる。要するに美容にいいものを入れるのではなくて、不純物を出すという考え方。体のめぐりを良くすること。むくみグセをつけないこと。ここが何より重要なテーマなんだ。
「健康意識のプチ間違い」に潜む危険に注意するべし
編集 そして今回の目玉、「松本伊代さんが美容整形に挑戦!」という話題がありました。仕分けによって、なんと隠れシミが550個も見つかったとのこと。隠れシミについてもう少し教えてもらえますか?
K そばかすもシミも肌の上に見えているものよりも奥の方にたくさん隠れている。確実に出てくるものではないけど確率論で言えば将来的に出てくる可能性は高いです。
東京美容外科の協力のもと、松本さんが挑戦したのは、水光注射と高濃度ビタミンをメインに番組オリジナルで作ってもらったスーパー美白点滴です。
さっきも言ったように肌の役目は「排出」がメインで「吸収」ではない。だから中に入れることは難しいのです。水光注射では、一カ所ごとに四つの針を刺して肌の0.6mmから0.8mmの深い層にアプローチします。美容成分を深部に入れて、肌を一度壊してから新しい肌をつくる。人間には復元力があるから壊すほうが実は手っ取り早かったりしますね。
スーパー美白点滴は、免疫力をアップさせて、体中のさびを排出するという水素と同じようなやり方です。
今回の施術で松本さんはシミだけではなく、笑いシワもキレイになりました。
編集 笑ったときに目元にできるシワですね。
K 皆さんがよく気にするほうれい線は、小学生にもありますし、実はそんなに問題にならないんです。笑いシワとか、クマ、シミのほうが老けて見える大きな要因になる。美容要素と併せて健康要素も入れることで、こうした老け顔の要因を取り除くことに成功しました。
編集 番組の施術一カ月で103個の隠れジミがなくなっていましたよね。驚きました。大きな手術をしなくても老け顔は改善できるということですね!
K そのとおり。今回の番組ではほとんど簡単なことしかしてない。それでも健康になればどんどん若々しくなれるんだよね。
でも、例えば眼瞼下垂のような手術をした方がいい場合もある。おでこのシワをシワ治療注射などで無くそうとすると怖い顔になってしまうことがあるし……(編集Kの顔を凝視)
編集 むくみを改善する方法をいろいろ伝授していただいてますが(「美人部ブログ」参照)、全身となるとやっぱりエステなどでやってもらうのがいいのでしょうか。
K そうだね。むくみを解消するだけで、ダイエットになるし。一回の施術で大体1.1kg〜1.4kgは落ちる。これは水を飲んだだけですぐに戻ってしまう数字だけど、それだけ流れたという証明でもある。じゃあ、エステを毎日すれば一番いいかというとそれも違う。三日に一回ぐらいがベストなんだけど。
編集 お金も時間も続きませんが……。
K それは無理のない範囲で。エステティシャンもうまい人とそうでもない人がいて、100と30ぐらい開きがある。できるだけうまい人を体験したほうがいいよ。今度わたしの知っているカッピングの名人をご紹介しましょう。後は血管の流れを良くする自宅ケアの方法も引き続き伝授していくよ。
編集 ありがとうございます! 淀みない小川のせせらぎのごとく健康美人道に励みます。
(まだまだ、熱血美容指導は続く)
次回もお楽しみに
水光注射 すいこうちゅうしゃ
肌を吸引しながら複数の細い針で穴を開けて肌の回復力を促しつつ、ヒアルロン酸などを主成分にした美容成分のカクテルを皮下に入れる美容医療。極細の針で痛みもごく軽微。
話題の美容医療・水光注射って何?