ヒルドイドって？

皮膚の保湿作用や血行を促進する作用をもった薬です。 その薬効成分は「ヘパリン類似物質」と呼ばれる医師による処方が必要な医薬品であり、軟膏やクリーム、ローションといった形で、主に皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症(簡単に言うとひどい手荒れ)などといった皮膚疾患の治療に用いられます。

ヘパリンとは

元々生体内に存在する物質で抗凝血結作用があり、血液をサラサラにする働きがあります。

主な作用

保湿作用

肌のバリア機能に働きかけて、肌が本来持つ潤いを取り戻すことで外的刺激から保護してくれます。

血行促進作用

血液をサラサラにして新陳代謝を活性化させる作用があります。

抗炎症作用

肌の炎症を抑えて肌荒れを改善する作用があります。

上記の三つの作用により肌の内側から新陳代謝を活性化させることができるため、一般的な保湿剤による保湿よりも高い効果を得ることができます。

使用上の注意

ヒルドイドは、基本的には副作用がなく、肌の弱い方でも使える薬なのですが、先ほど紹介したように、血行を良くする(血流を良くする)作用があるため、使用の際には出血している部位は避けたり、血友病や血小板減少症などの出血性の血液疾患がある場合にも使わないことが望ましいです。

処方薬を保湿化粧品として使うことの是非

ヒルドイドはあくまでも「病気の治療を目的とした」医師による処方が必要な「治療用医薬品」であって、誰もが気軽に買える「化粧品」ではありません。
いくらヒルドイドの安全性が高いとはいえ、化粧品とは異なり長期使用は想定されていない処方薬であるヒルドイドを化粧品代わりに使うことは決して望ましいことではないということを心に留めておいてください。
今は問題なくても使用を続けるうちに何らかの原因で肌トラブルが生じてしまう可能性もゼロではないからです。
ヒルドイド以外にもセラミドや尿素、ワセリンなど化粧品にも配合できる保湿効果の高い物質はいくつもあります。
保湿剤を選ぶ際は皮フ科の専門医にご相談の上で、ご自分に一番あった保湿剤を選ぶようにしてくださいね。

（サクマユウナ）

執筆者：alluxe編集部