ヘアケアのプロが行う洗髪から紐解く

何かを知ろうとする場合、一番の近道はやはりその道のプロから学ぶこと。
そこで、ヘアケアのプロである美容師が美容室で行っている洗髪方法を振り返りつつ、それを自宅でのケアに活かす方法を見ていきましょう。

予洗い(プレシャンプーと呼ぶ場合も)

美容室でカットやパーマの施術前に髪についた空気中の塵、ほこりなどをぬるま湯でさっと洗い流すことを言います。
「さっと流す」とは言っても最低でも1分くらいかけるのが一般的です。これは、美容師になるための試験の課題になるほどの基本中の基本で、お客さんの髪を扱う美容師の間では常識とされています。ご存知の方もいるかもしれませんが、人の髪は見た目が汚れていなくても皮脂や空気中の塵、ほこり、スタイリング剤などで頭皮や毛穴が汚れてしまうもの。髪に皮脂や汚れが残っているとシャンプーの泡立ちが悪くなり、摩擦で髪を傷めてしまうため、シャンプー前にそういった汚れを洗い流すことは髪を労わる意味でも大切です。

仰向けのままのシャンプー

美容室ではシャンプー台で仰向けに寝たまま洗ってもらいますよね。
美容室で仰向けで洗髪するのは、一般に水が顔にかかって化粧が落ちないようにするためとも言われていますが、理由はそれだけではありません。髪が長い場合、前かがみで洗ってしまうと髪が絡みやすくなるから、というのがその大きな理由とされています。家で洗髪する場合は前かがみで洗うかと思いますが、前かがみ状態での洗髪は髪が絡みやすくキューティクルの損傷も招きやすいため、できれば顔を上げて洗うようにしましょう。

いつもの洗髪手順にちょい足し

シャンプーは二度洗い

美容師さんから「シャンプーは2回してくださいね」って言われたことや、お使いのシャンプーに「2回洗いを推奨します」と書いてあったことありませんか。
美容室ではごく一般的に行われているシャンプー二度洗い。一見二度手間に思えるかもしれませんが、これにはちゃんとした意味があり、美容室で行う場合と自宅でセルフで行う場合で目的が異なるんです。

美容室におけるシャンプー二度洗いの目的

普段洗髪する際のシャンプー二度洗いの目的

二度洗いのメリットとデメリット

メリットは、汚れの洗い残しを防いで頭皮を清潔に保てるので、抜け毛を防ぎつつ丈夫で艶やかな髪を育める点です。
そもそも抜け毛の原因の多くは頭皮に汚れが詰まること。二度洗いをすることでまんべんなく頭皮を洗うことができます。
また、二度洗いにもデメリットはあります。それはすすぎが不十分だったときにシャンプーが頭皮に残ってしまうことによる頭皮トラブルです。
一度洗いに比べて二度洗いは使うシャンプーの量も増えるので、今度はすすぎ残しのリスクが増えてしまいます。
これらを考慮にいれると、シャンプーの二度洗いは、たくさん汗をかいた人や髪の毛にスタイリング剤を使った人、アミノ酸系などの洗浄力が控えめなシャンプーを使っている人には最適なのですが、それ以外の場合は少し注意が必要です。

リバースケア

シャンプー前に先に髪にトリートメントで油分を与えて、シャンプーするときの傷みを防ぐヘアケア方法です。シャンプー前にトリートメントをすること以外は通常の洗髪方法で大丈夫。
事前にトリートメントによる薄い膜で髪を軽くコーティングすることで、シャンプーをする際に髪同士が擦れ合って生じるダメージを防ぐことができます。
実は洗髪時に生じる抜け毛はこの髪同士の摩擦によるものも少なくないんです。リバースケアを行うと、通常のシャンプーをしてからトリートメントをする場合よりも、毛先まで潤ってまとまりやすくなるので是非お試しあれ。