プラセンタって?
そもそもプラセンタとは、英語で胎盤(Placenta)そのもののことを指す言葉でした。
ところが、近年の研究で胎盤に胎児の成長に不可欠なアミノ酸やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいることが判明してからは、日本では1950年頃から肝硬変などの治療を目的としてプラセンタ薬が使用されるようになり、昨今ではエイジングケアを目的としてもプラセンタが使用されるようになりました。
そういった経緯もあり、現在では、哺乳類の胎盤から栄養成分を抽出した胎盤エキスのことを「プラセンタ」と呼んでいます。
プラセンタの主な効能
美肌&美白効果
プラセンタに含まれる成長因子の作用で肌の新陳代謝が促進され、ターンオーバーが整うことで、シミやシワ、肌のハリに効果が期待できます。
更年期障害や生理不順の改善
プラセンタが持つ抗老化作用で、不足することで様々な不調を生じる女性ホルモン「エストロゲン」の血中濃度を高める効果が期待できます。
疲労回復効果
プラセンタにはタンパク質やアミノ酸、ミネラル、ビタミンなどの疲労回復効果の高い成分が豊富に含まれています。動物が出産後に自ら胎盤を食べてしまうのは
出産による疲労を迅速に回復させるためと言われています。
プラセンタの効能は昔の人も知っていた!?
プラセンタの歴史は意外と古く、残された文献によると紀元前4世紀頃には、すでに治療薬としてヨーロッパ中で使用されていたとされ、あのクレオパトラやマリー・アントワネットといった歴史上の美女たちも、若さを保つためにプラセンタの恩恵に与っていたと伝えられています。
日本でも、実は江戸時代からすでに民間薬として使用されていたと言われています。
プラセンタの種類
ヒト由来プラセンタ
拒絶反応が起きにくく身体への馴染みやすいという点で、他の豚や馬由来のプラセンタエキスよりも優れています。
難点は薬事法によって、サプリメントや化粧品への使用が禁じられていて、「医療用プラセンタ注射薬」という形で医薬品としてのみの処方しかできないということ、摂取するには医療機関で皮下注射をしてもらう必要があるということです。現在注射薬としてはラエンネックとメルスモンの2製剤が承認されています。
医療機関での施術が前提ということで一見、ハードルが高そうに感じるかもしれません。しかしその分、病院で使用されるヒト由来プラセンタは、事前の血液検査でHIVやB型肝炎などの感染症のリスクを排除するなど徹底した管理の元で製造されており、事実過去50年間、ヒト由来プラセンタでの感染の報告例は一度もありません。
ヒト由来プラセンタ製剤が安全とされる専門的理由
日本国内で医療用プラセンタ注射薬として承認されているのは「メルスモン」と「ラエンネック」のみです。
「加水分解」によって蛋白質全てがアミノ酸に置き換わっている「メルスモン」に対して、「ラエンネック」は予め上澄みの一部を取り分けておき、残りを加水分解したところへ、取り分けておいた上澄み液を加えるという製造過程を経ています。つまり「メルスモン」と「ラエンネック」の違いは成分に蛋白を含むか含まないかです。
BSEなどで問題になる「ブリオン蛋白」には病原性と非病原性のものがあり、このうち病原性のものは水に不溶であるため、蛋白を含まないか、水溶性の低分子蛋白のみを含む医療用プラセンタ注射薬
は製造過程の面からも安全性が高いことがわかります。
馬由来プラセンタ
主に高級プラセンタサプリの原料として利用されているプラセンタエキスです。
プラセンタがもつ美肌効果は主にアミノ酸によるものなのですが、馬プラセンタはこのアミノ酸の含有量が他のプラセンタの約300倍もあるとされています。
難点としては、馬は年に1回、1頭ずつしか出産しないため、一度に何頭も出産する豚と比べてプラセンタエキスの価格が高価になってしまうことがあげられます。
豚由来プラセンタ
主にサプリメントやドリンク用に作られているプラセンタエキスで、価格が安いため最も広く普及しています。
胎盤はその動物が食べたものの影響を受けるため、生育過程でワクチンや薬剤などが投与されることが多い豚の場合は、プラセンタエキスに不純物が混ざりやすい欠点があります。
しかしそういった不純物はプラセンタエキスの生成過程で除去されますので、実際にはそれほど気にする必要はないでしょう。それでも気にされる場合は、抗生物質を一切与えられずに育てられている「SPF豚」由来のプラセンタを選ぶことをおススメします。
プラセンタの摂取方法
プラセンタの摂取方法は大きく注射と経口摂取のふたつに分けられます。
注射を使った体内へのプラセンタ原液の直接注入
医療機関において、処方されたプラセンタ注射薬を注射する方法です。代謝によって分解させることなく体内に直接プラセンタ成分を届けることができるメリットがあります。
プラセンタ注射のデメリットとして、しばしば献血ができなくなることがあげられますが、それはあくまでもBSE由来の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の理論上における感染リスクが完全にゼロにはならないからにすぎません。
現実には医療用プラセンタ注射薬の製造段階で、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の危険因子は排除されているため、プラセンタ注射が危険ということはありません。
ー効果を持続させるコツー
最初の1か月~2か月間は週に1、2回。その後は1、2週間に1回のペースで受けていくことが多いです。
プラセンタ成分を体内に長く留めることで継続的にその効果を実感することができます。
プラセンタを含んだサプリやドリンクの経口摂取
プラセンタ成分含有のサプリやドリンク剤を摂取する方法です。長期間飲み続ける必要があり、その効果は注射よりも緩やかなものとなりますが、医療機関にかからずとも手軽にプラセンタの持つ美容効果の恩恵を受けることができます。注射の場合と違って献血制限もありません。