日本人（黄色人種）の肌は炎症後色素沈着（PIH）が起こりやすい！

炎症後色素沈着（PIH）は、何らかの影響で炎症が起こった後に残るもののこと。例えば、虫さされやニキビ跡に茶色いシミのようなものができると思います。シミ取りレーザー後、シミが濃くなったと感じるのもこれと同じです。

特に日本人は「メラノサイト」が活性化しやすいので、炎症後色素沈着が起こりやすいとも言われています。炎症後色素沈着が起こってもほとんどの場合、時間の経過とともに自然に治りますが、せっかくキレイになるためにレーザーを受けたのにまた数カ月も我慢なんてイヤと思うのは当たり前です。そこで大切なのが、シミ取りレーザーを受けた後のアフターケアです。

炎症後色素沈着（PIH）のリスクを軽減する「湿潤療法（モイストヒーリング）」

現在、レーザー治療後に起こる炎症後色素沈着（PIH）を100％回避する方法はないとされています。レーザーの出力を弱くすれば予防できますが、肝心のシミが消えません。そこで大事なのは、施術後すぐに貼られる創傷被覆材（テープ）です。

レーザー照射後の皮膚は傷を負ったのと同じです。一昔前まで傷の治療は、消毒→乾燥→自然にかさぶたができるのを待って治すのが当たり前でした。今は、「湿潤療法（モイストヒーリング）」といって傷をそのまま覆い、自然に体から出る水分（浸出液）を保った状態で、かさぶたをつくらずに傷を治す方法が主流。回復も早いとされています。クリニックの創傷被覆材は、コンバテック社のデュオアクティブ®、市販ものもだとキズパワーパッド™が有名です。

「湿潤療法」の場合、10日以上は貼りっぱなしが基本。紫外線や擦ったり、テープの張り替えなど、とにかく刺激をしないことが重要なので、傷被覆材で保護することが、炎症後色素沈着（PIH）のリスク軽減に大きく影響します。顔にテープを貼るのは、抵抗感がありますが一時的なことです。キレイな素肌のためにもグッと我慢が大切です。

創傷被覆材をはがした後も、紫外線予防の日焼け止めの塗布や、メラニン色素の産生を抑えるハイドロキノン外用薬、ビタミンC内服薬など処方薬があります。必ずドクターの指示通りに続けましょう。