シリコンって?
シリコンそのものは化学的には炭素、水素、ケイ素、酸素で構成される有機ケイ素化合物の一種で、ゴムや医療素材から化粧品やヘアケア商品まで幅広く利用されている安全性の高い物質です。
ヘアケア商品や化粧品に配合されるときは、シリコンオイルと呼ばれる粘性のある油のような状態で配合されています。
代表的なものとして○○メチコン、○○ジメチコンなどという名前で成分表示されることが多いです。
ヘアケア商品にシリコンが配合される一番の目的は、シリコンオイルが痛んだ髪の表面をコーティングする性質を利用して、キューティクルの剥がれや切れ毛などを予防することにあります。しかし、このシリコン、実はシャンプーに配合されていても直ぐに洗い流されてしまうためコーティング作用をあまり期待できません。
シリコンのもつメリットを最大限に享受するにはシャンプーではなくトリートメントにシリコンが配合されているものを選ぶのをおススメします。
シリコンのデメリットは?
上記のようにシリコンそのものは髪の毛をコーティングすることで、見た目と手触りを改善し、さらに扱いやすい髪にしてくれるとても有用なものなのですが、それはあくまで髪のみに付着させることができた場合の話です。
頭皮にシリコンが残留してしまった場合、よく言われるように「シリコンが頭皮の毛穴を詰まらせ、抜け毛を加速させる」という可能性もゼロではありません。
また、シリコンがコーティングされた髪の毛は自身の重さでボリュームが出にくくなり、カラーにも染まりにくくなるというデメリットもあります。
そういった意味では、髪の毛のボリュームがありすぎる人にとってシリコンは強い味方となってくれることでしょう。
ノンシリコンシャンプーとそのメリット
成分としてシリコンが配合されていないシャンプーのことです。
髪の毛の補修成分(ケラチンや加水分解ケラチン等)を含んだものであれば、シリコンによる髪の毛のコーティングがない分、傷んだ髪の毛の補修成分も浸透しやすくなり、継続的に使用することで、髪の毛が本来持つ艶や弾力を取り戻すことができます。
その一方で「ノンシリコンシャンプーにしてから髪がきしむ」という意見も聞かれるのですが、実はそれが本来の自然な髪質であり、もしきしみが気になるのであれば、シャンプー後にトリートメントをすることで多くの場合解決することができます。
正しいシリコンとの付き合い方
ここ数年のノンシリコンシャンプー旋風のために悪い者扱いされがちなシリコンですが、その特性をしっかりと理解することでうまく付き合っていくことは十分可能です。
このコラムを読んだ方が、自分の髪質と相談して、本当に合うシャンプーを見つけることができれば幸いです。