シミ治療の定番といえばレーザーですが、このレーザー治療に新しい波が来ているのをご存知でしょうか。
現在美容医療の分野においてメインで使われているレーザー治療マシンの主流は、「QスイッチYAGレーザー」と呼ばれるレーザーをナノ(10億分の1)秒というパルス間隔で照射するマシンです。
シミ取りからタトゥーの除去に至るまで、色素の除去には欠かせないマシンとして、美容クリニックで治療を受けたことがある方なら必ずといっていいほど目にしたことがある一台だと思います。
myQ:dual (キュテラ株式会社 HPより)
今回ご紹介するピコレーザー(マシンは「エンライトン」「ピコシュア」「ピコウェイ」の3機種)は、なんとピコ(1兆分の1)秒まで照射時間を短くした最新鋭のレーザーマシンなのです!
といっても皆さんにはピンと来ませんよね?
照射時間が短くなると一体どうなるのでしょうか。
エンライトン(キュテラ株式会社 HPより)
ピコシュア(サイノシュアー株式会社 HPより)
ピコウェイ(シネロン・キャンデラ株式会社 HPより)
レーザーにはパルス(照射時間)の間隔が短いほど、繊細に対象へアプローチできる特徴があります。
新型のピコレーザーは、ナノ〜ピコ秒という非常に短く柔軟なパルス幅を持っているため、一回の施術でシミの原因となるメラニンの粒子を何段階も細かく破壊して、見えなくすることが可能になったのです。
ピコレーザーには美容医療を変えうるポテンシャルがある
ピコレーザーの最大の特徴はそのシミ治療への切れ味、さらに肌にもたらす負担の軽減にあります。
すごく濃いシミや薄く散らばったシミなど、今までのレーザーではやや苦手だった症状に対して、一回でも満足度の高い治療ができるようになったのは非常に大きな進化です。
さらにピコレーザーが最も注目されているのが「タトゥーの除去」という分野。
ピコレーザーはQスイッチレーザーに代表されるこれまでのレーザーに比べて1064nmと1.5倍以上の長い波長を持っており、皮膚の脂肪層までレーザー波を届けることができます。
この恩恵が最も活きるのが、皮膚の奥に入った色素を破壊するタトゥー除去なのです。これまでレーザーによるタトゥー除去はかなりの回数をおこなっても満足できる結果に至るには遠く、長い治療期間が必要でしたが、ピコレーザーの登場によって新たな可能性が広がりました。
また、照射時間が短いため、肌組織に熱で与えるダメージが少なく、これまではタトゥーのレーザー除去は悶絶するほどの痛みがつきものでしたが、かなり軽減されることになりました。
シミの除去、タトゥーの除去において革命といっていいほど進化をもたらしたピコレーザーですが、国内ではまだ導入しているクリニックはQスイッチレーザーほど多くはありません。また施術価格もこれまでのレーザーよりも高価なものです。
ただし、美容だけでなく一般の医療分野でも注目されており、大学病院などで導入されるようになれば、今年以降一気に国内のクリニックに広がる可能性も高いです。
美容医療の未来を、そして日本人女性の美白基準を決める次世代マシンの動向から今後も目が離せません。