美容整形に興味がない人でも1度は耳にしたことがあるほど広く知られているボツリヌス治療ですが、それは「ボツリヌス注入薬を打つと表情がなくなる」というボツリヌス治療の副作用に関する話が有名だからでしょう。ニコール・キッドマンがボツリヌス注入薬を使用していたことをオープンにしたのも「無表情すぎる」とたびたび整形疑惑が噂され、その報道に応える形での公表でした。実際のところ、彼女はボツリヌス注入薬を頻繁に打ち過ぎていたため表情が不自然になってしまったことを認めています。この「打ち過ぎ」こそがボツリヌス注入薬を打つと表情がなくなると言われる原因のひとつなのです。
ボツリヌス注入薬は注射した部位の筋肉の動きを弱める、つまり麻痺させるという特徴的な治療法ですから「適量」の見極めが大切です。量が少なすぎれば効果が出ないし、1度に大量に打つと過度の麻痺が起こってしまい、シワは改善されたものの不自然な表情ばかりが目立ってしまうという結果に。さらにボツリヌス注入薬を打つ部位も重要になります。打つ場所を間違えれば動きを抑制したくない部位の筋肉が動きにくくなり無表情の原因になるばかりでなく、眉尻が極端につり上がったような表情になる「スポックブロー」という現象がおきたり、まぶたや眉毛が垂れ下がってしまうというリスクも出てくるのです。こういったリスクを避けるためにも、「打つ量」「打つ部位」などが的確に判断でき、それを実行できる技術力の高いドクターに施術してもらうことが、副作用のリスクを回避するために重要なのです。また、高い確率ではありませんが、ドクターの技量に関わらず内出血や頭痛、軽い風邪のようなアレルギー症状が起こる場合もあるようです。
上手に正しく利用すれば若々しさと美しさを気軽に手に入れることができるボツリヌス治療。そのニーズの高さから、さまざまな種類のボツリヌス注入薬が世の中には出回っています。最もポピュラーでボツリヌス治療の先駆者ともされるのが米国アラガン社の製品です。日本ではアラガンジャパン社が販売しています。世界的に最も普及しており、日本においては「65歳未満の成人における眉間の表情じわ」への効果が厚生労働省に唯一認可されています。このアラガン社製ボツリヌス注入薬に次いでよく使われているのが英国の「ディスポート」や韓国の「ニューロノックス」、同じく「レジェノックス」、ドイツの「ゼオミン」などがあり、「アラガン社製のボツリヌス注入薬」よりリーズナブルなことが多いようです。どんな治療においても言えることですが、使用する製剤でも副作用のリスクの程度は変わってきます。多種の製剤があるボツリヌス治療においては、深い知識と確かな経験を持つドクターを選ぶだけでなく、使う製剤のメリットとデメリットをよく理解した上で選択することもまた大切なのです。
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